Harmoniemusikというと、いかにもドイツ語。となると、ハルモニエムジークと発音するのが正しいのかな。ハーモニーとミュージックの合成ですから、直訳すれば調性音楽ということになるんでしょうけど、実際は主として木管楽器(wind instruments)を用いた18世紀に流行した室内楽のことを指すわけです。
最近になって、この手の音楽の存在を知って、けっこう嫌いじゃないことに気がついたわけです。
今まであまり注意を払うことが無かったので、かなりマイナーな音楽かと思ったら違いました。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらの古典派の大作曲家の作品の中には馬鹿にならない量のHarmoniemusikがあるのです。
彼らはオリジナルの作品も作りましたが、自分のオペラ作品などを専用に編曲したりもして、貴族が自分の城の中で手軽に楽しむ一助としていたんでしょうね。
さて、そこでベートーヴェンです。クラリネット、フルート、オーボエ、ファゴット、イングリッシュホルンなどの比較的独奏の機会の少ない木管楽器がいろいろな形で楽しめる曲が揃っています。さすがに金太郎飴のモーツァルトとは違います。一つ一つの作品の語り口がいろいろで、こんな組み合わせもあるんだと拍手をしたくなります。
コンソルティウム・クラシクムはHarmoniemusikを語るには欠かせないアンサンブルの一つ。HMVで検索してみると、大量のディスクが出てきます。クラリネット奏者のディーター・クレッカーがリーダーで十数人のメンバーが、レパートリーに応じて参加する、いわゆる「ユニット」という形を取っているようです。
演奏している方には悪いかもしれませんが、けっこう肩肘張らずにのんびりと聞けるのがいい。休日の午後には、ちょっとおしゃれにティータイムのBGMとしても是非どうぞ。