年末年始臨時休診のお知らせ

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2009年12月9日水曜日

殺人 or 安楽死

10年前に川崎協同病院(川崎市)で入院中の男性患者(当時58歳)から気管内チューブを抜き、筋弛緩剤を投与して死亡させたとして、担当医が殺人罪に問われた事件で、最高裁被告の上告を棄却し、医師の殺人罪が初めて確定しました。

詳しい経緯は知りませんので、みだりにコメントをすることはできませんが、担当医が「家族の強い要望により」と言っているのなら、誰が告訴したんでしょうか。

本人の確認をとれない状況が圧倒的に多いと考えられる現場では、ある程度医師と家族との間の合意のもとに「尊厳死」に近い行為が行われることはやむを得ないと思っています。

ですから、その場合は家族により告訴されることはないのではないでしょうか。現場に居合わせたであろう人以外から告訴されるとしたら、それは逆に告訴する根拠が不透明であろうと思います。

しかし、呼吸を確保していた挿間チューブを抜き筋弛緩剤を投与したということは、明らかに積極的に死亡に至らしめる行為であることは間違いなく、いわゆる「安楽死」と言われるものです。

積極的な治療をしないで患者さんの自然の生命力にゆだねるということと、積極的に死亡させるということは同じではありません。少なくとも、人の命を救うことが医者の仕事であるなら、後者はあるまじき行為と断ずるものです。

「命」をとって、人を救うのが医者の仕事と考えるなら、尊厳死のための安楽死というのもあるのかもしれません。しかし、それはあくまで本人の意志が確認できてはじめて成り立つものです。家族の意志とは別物と考えなければなりません。

医療行為は病院以外で行われれば傷害罪・殺人罪に問われるものであるということを、医者はあらためて認識しましょう。病院の中だとしても、きっちりとしたルールを踏まえた上でないと、何も言い訳できないものであるということです。

この手の問題は、一定の解決はなかなか無いのでしょうね。すべての人が共通の価値観を持たない限り、正解というものはでてこないでしょう。