2016年3月19日土曜日

ドイツ・リート

シューベルトの歌曲の世界に入り込んで、「いやっ、こりゃ、やばいところに来てしまった」という感じで、とにかく膨大な量の歌物を前に、何とかとっかかりを見出したばかりです・・・

なのに、早くも間口を広げ始めている自分がいるんですね。怖いもの知らずというか、傍若無人というか、とにかくゆりたい放題とそしりを受けるかもしれません。

シューベルトの歌曲は、おそらく簡単に言えば、ドイツ・リートと呼ばれるもので、ドイツ語による世俗曲・・・つまり、当時の歌謡曲みたいなもので、ゲーテとかハイネなどが発表した詩にメロディをつけたもの。

宗教曲に比べれば、比較的気楽・・・なんていうと、古くからリートに親しんでいる方に怒られそうですが、片っ端から聴き飛ばして、とりあえず一つでも二つでも気に入ったメロディが出てくればいいかなと思ったりします。

もちろん、ドイツ語ですから、ただ聴いていても歌詞の内容がわからないとしょうがない。対訳は一度は見ておきたいものですが、今はネットで和訳を提供してくるところが簡単に見つかるので、大変にありがたいことです。

ドイツ・リートというと、ベートーヴェンに萌芽がみられ、シューベルトにより世界が出来上がり、シューマンとブラームスが発展させた。

恐れずにドイツ・リートの歴史を最短で説明すると、これだけ。いや、そんなものじゃないと言われるのは覚悟のうえですけど、初心者からすると最低これだけ押さえておくと少なくとも間違いはない。

さらに勝手なことを並べると、ベートーヴェンが演歌、シューベルトが歌謡曲、シューマンとブラームスがニュー・ミュージックと呼ぶと、昭和世代にはわかりやすいかもしれません。

そんなわけで、シューマンやブラームスの歌曲も聴きたい気持ちが出てくるわけですが・・・シューベルトの歌曲を歌いまくったフィッシャーデイスカウは、シューベルト以外も当然歌いまくっていて、この人一人をたどれば、ほぼすべての歌曲にたどり着けるというすごいことになっています。

ドイツ・グラモフォンは、フィッシャーデイスカウによって収録された膨大な録音と、一部の女声リートのアルバムによって、それぞれの作曲家の大全集を簡単に編めることができました。

これらは単独の全集として発売されたのはずいぶんと前のことで、今では中古でしか手に入らないし、ましてやかなりのプレミアがついてちょっと手に入れるのは無理。

ところが、作曲家別のデフレCDボックスというのがあるんですよね。自分も、ブラームスとシューマンは、この数十枚のCDボックス一つですませてしまおうと思ってかいこんでいます。

もともと歌物は得意ではなかったので、器楽曲だけ聴けばいいというつもり。それぞれ10枚くらいの歌が入っているものについてはオマケだと思っていましたが、実はこれが今や数万円もする歌曲全集が丸々収まっているということに気がついた。

つまり、もう数年前からシューマンもブラームスも歌曲全集を持っていたわけで、宝の山とも知らずに隅っこに追いやっていたというわけで、いまやよくぞ買っていましたと手を叩いて喜んでいるという次第です。

そんなわけで、これから同時進行でこれらのドイツ・リートの世界にさらなる一歩を踏み出そうとしているところです。