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2016年3月1日火曜日

年度末

春です。3月です。何か、春っていうと、わくわくする感じがあります。

暦の上では2月4日が立春で、とっくに春になっている。でも、カレンダーほめくって3月になると、白黒から総天然色に切り替わり、実生活の上でも季節がかわったことを実感できますよね。

ところが、年度というのがあるので、3月は年度末。そう思うと、年度が切り替わる前であわただしい感じもしてくる。

日本では、官公庁や学校などで4月始まりの年度を慣習的に採用していますが、これは明治時代かららしい。

もっとも、必ずしも4月から新年度にしなくてはいけないわけではない。実際うちのクリニックの場合、会計年度は6月はじまりです。

欧米の学校が9月はじまりが多いので、留学の出入りには不便と言われています。学校によっては、9月新年度を採用しようとする動きがありますが、いろいろなことで4月始まりがしみ込んでいる日本では、なかなか難しい。

そんなわけで、病院でも4月に診療報酬点数(厚生労働省が2年ごとに改定している健康保険の定価)が変わりますし、あらかじめ準備をしておきたいのですが、ぎりぎりまで何もできないモヤモヤ感で3月は過ごすことになるのです。

今回の改定の中では、整形外科で最も大きな影響が出るのはシップではないでしょうか。一回の処方量を70枚までに制限し、それ以上に対しては処方箋料はつけられなくなります。

また、シップの使用方法をレセプト(診療報酬の自己負担分以外の請求書)に明記する必要が出るようで、病院としては業務が煩雑になり、できるだけシップを処方したくならないように仕向けています。

昔は湿布薬の処方は5日分までという制限がありましたが、再診回数を減らすために長期処方が推奨されるようになって、シップの日数制限がなくなりました。

そのせいかどうかはわかりませんが、確かにやたらとシップを処方することが多くなったのは事実だと思います。また、内服は使いたくないという方が多いのに、シップとなると何枚でも使ってしまう方がかなりいる。

痛いところを包むように一度に10枚以上使用する方も珍しくなく、確かにシップの無駄使いになっているわけで、欧米ではそもそも薬としては認められていない日本の独自の文化みたいなものではあります。

厚生労働省としては、シップを医療保険が使える薬のリストからはずたいという意図があるわけで、それによって数十億円規模の医療費を抑制できるという考えです。

少なくとも、4月以降はシップはかなり出しにくくなることは間違いなく、病院側も適正な量をしっかりと説明していかないといけないということです。

シップの是非はいろいろな議論がありますが、高齢化社会で医療費は増え続ける一方なので、何らかの措置は必要なのだろうと思うしかありませんね。