さぁ、いよいよ神宮です。
伊勢神宮と通称で呼ぶことが多いのですが、正式名称は神宮だけ。全国津々浦々にある神社の総元締めみたいなもので、古事記・日本書紀の世界観を実体験する頂点です。
明治神宮が初詣日本一と威張っても、所詮百年ちょいとの歴史しかありません。伊勢神宮が成立した時期ははっきりしていないようですが、約1300年前、飛鳥時代よりも前らしい。
日本最強のパワースポットという言い方もできますが、いずれにしてもいわゆる観光地ではありません。あくまでも、お詣りをすることが重要なので、そのあたりをわきまえないといけません。
神宮は天照大神を祀る内宮(皇大神宮)と豊受大神を祀る外宮(豊受大神宮)があり、それぞれの広大な敷地の中に別宮がたくさん含まれています。
細かいことを言うと、三重県内に「神宮125社」呼ばれるくらいに散らばっているので、これらを制覇したい場合は最低でも2週間くらいは必要かもしれません。
もちろん、今回は半日ですから、外宮・内宮に絞ってできるだけまわりたいと思います。お詣りには外宮が先という決まった順番があって、これを遵守していきたいと思います。
ですから、宿を出て夫婦岩、松尾観音寺に寄り道したあと、神宮の外宮に到着したのは9時半頃。もうたくさんの人出があり、駐車場も混んでいました。
外宮は神宮の正宮の一つで、衣食住を司る豊受大御神を主祭神とします。9世紀に天照大御神が、時の雄略天皇に「あたし一人ではご飯をゆっくり食べていられない」からと豊受を呼び寄せるように命じたということらしい。
まずは入口の表参道火除橋からスタート。外宮は左側通行というルールがあります。古色蒼然とした並木道を進んでいくと御正宮があります。参拝できる場所からは、中はうかがい知ることはできません。
参拝の仕方も二礼・二拍手・一礼です。ここでは生活に関わることのみをお願いできます。土宮、風宮、多賀宮という別宮がありますが、このあとの内宮に体力温存のためパスさせていただきました。
さて、いよいよ数km離れた本丸である内宮に向かいます。到着したのは10時過ぎていて、もう大混雑。駐車場もかなり離れた五十鈴川の河川敷でした。
新橋を渡ったところがおはらい町、しかも有名なおかげ横丁の角。早速見て回りたいところですが、とにかくまずはお詣りをしないとね。内宮は宇治橋からスタートで、今度は右側通行です。
橋を渡って右側を進むと一の鳥居があり、その先が五十鈴川御手洗場。
川の冷たい水で手を清めるのが習わしとされています。樹齢何百年かという杉や檜が立ち並ぶ中を歩いていきますが、陽も出てきて、もう汗だく。
神楽殿を横に見て、さらに進むといよいよ御正宮です。
外宮と違って、カメラは石段の下までなので、ほとんど何も見えません。参拝所に上がると、外宮と同じような作りで、幾重にも目隠しがあるようで、当然天照大御神と直接ご対面などということは叶うはずもありません。
御正宮のあとには、別宮を回ります。まずは第一別宮である荒祭宮。
さらに少し戻って、風日祈宮に行きます。
他にも細かいものが宮内に点在していて、一通り歩き回って宇治橋に戻ったときはお昼過ぎ。ここまでに、外宮から合わせると4kmくらい歩いたようです。もう、服は汗でべちょべちょ。絞れるくらいになってしまい、足もぱんぱんになってきました。
多少ははしょりましたが、これでお伊勢参りとして神宮に参拝しに来た目的がだいたい達成できたと思います。日本人として一生に一度は参りたいというのは、ずっとずっと昔からの民衆の希望でした。それをできたということは、何となく嬉しい感じがします。
さぁ、お腹もへってきたし、後はおはらい町をぶらぶらして食べ歩きです。
ここは、上野で言ったらアメ横、原宿で言ったら竹下通りみたいな場所。道の両側に並ぶのは、古めかしい建物が多くて、京都映画村の時代劇のセットのような街並みです。
あちこちの軒下にミストシャワーが設置されているのが嬉しい気遣いです。から揚げとか、松坂牛串とか、コロッケ、さざえ串・・・もう、何でも一口たべてみたいものばかり。お土産屋さんも楽しいし、どこに入っても楽しめます。
しばらく行くと、一番有名なおかげ横丁。大きな石でできた招き猫が、こっちにおいでおいてせをしているのが目印。
ここに入ると、さらに道幅が無いので、人の波をかき分けて進む感じ。さらに楽しいお店がいろいろと立ち並び、いつのまにかお腹はぱんぱん、足はぱんぱんを過ぎて棒のようになってきました。
さてさて、午後2時を過ぎて、そろそろ帰ろうかという時刻。
帰りは時間は気にしないので、フェリーは使わず伊勢志摩道路で名古屋に出て、そのまま東名高速で陸路を戻ります。
四日市で渋滞、富士川SAで夕食、御殿場で渋滞、そして定番の大和トンネル~伊勢原バス停の渋滞があり、家に帰りついたのは夜の10時前でした。
二泊三日の駆け足でしたが、とにかく伊勢・鳥羽・志摩のたくさんあるパワースポットを最低限は巡ることができたと思います。お盆の時期でなければ、もう少し余裕を持って回れるでしょうから、一つのモデルコースとしてはお勧めです。