2017年7月17日月曜日

フォン・オッターのコンプリートは厳しい

さてさて、一体今までにこのブログに「クラシックの歌物は苦手」と何度書いたことか。

そもそも、たぶんイタリア歌劇のイメージ・・・(好きな人には申し訳ないけど)やたらと大袈裟な感じが、そういう印象を作った元凶。今でも、その手のものは受け付けられないのは変わりない。

ですから、ディーボとかディーバと呼ばれる有名イタリア語歌手については・・・ほとんど手を出していません。

三大オペラ・テノール歌手と呼ばれていたパバロッティ、 ドミンゴ 、カレーラス、そして絶対的ディーバのマリア・カラスなどは聴く気もしない。 バッハのカンタータで声楽の苦手意識がなくなった関係で、シューベルトの歌曲も聴けるようになったので、自分にとってはクラシックの歌手のお気に入りは、当然そういったジャンルが得意な人たちに絞られます。

特に初めて歌手の名前を意識したのは、J.E.Gardinerによるモーツァルトのレクイエム。CDよりビデオが先で、動画から入ったので当然テノール、バリトンのおっさん二人よりもソプラノ、アルトの女性二人に目が行くわな。

ソプラノはアメリカ人のバーバラ・ボニー、そしてアルト、正確にはメゾ・ソプラノがスウェーデン出身のアンネ・ゾフィー・フォン・オッター。ソプラノの澄んだ響きもいいんですけど、それよりちよっと低い音域で、声に丸みがあり艶やかな抱擁感があるアルトの方が好みに思いました。

フォン・オッターは1955年生まれで、自分よりちょいとお姉さん。Gardinerの初期の常連で、多くの宗教曲やバロック歌劇に80年代末から登場しました。

Gardinerを集めていると、フォン・オッターが登場する作品は、バッハはマタイ受難曲、クリスマス・オラトリオ、モンテヴェルディのポッペア、オルフェ、ヘンデルのJephta、Agrippina、クリュックのAlceste、オルフェとユリシーズ、モーツァルトのレクイエム、ハ短調ミサ曲、イドメネオ、ティートの慈悲、ベルリオーズのファウスト、キリスト、ヴェルディのレクイエム等々・・・探すときりがない。

もちろん、G.ショルティのバッハとか、T.ピノックのヘンデル、R.ゲーベル、ミンコフスキーのヘンデル「アリオダンテ」などそうそうたる面々との競演が多数ありますが、フォン・オッターをスター歌手にしたのは、やはりGardiner大先生の功績が大きい。

1994年にリリースしたクルト・ヴァイル作品集は、Gardinerの企画でクラシック、特に古楽系中心だったフォン・オッターのレパートリーをミュージカルに広げ、ジャンルにとらわれずに躍進するきっかけになりました。

その後のクロスオーバーした様々なアルバムは、一つ一つの話題性もさることながら、年輪を重ねて円熟味を増した声質と共に耳に心地よく響きます。

ただ、自分名義のアルバムだけならコンプリート可能とは思いますが、さまざまな参加作品はかなり幅広く、どう考えても好きになれそうにないものも含まれますので、すべてを収集するのはさすがに難しそうです。

現在、たぶんGardiner物はすべてあると思いますが、リーダー作については半分くらいでしょうか。ちょっと次の目標で頑張ってみようかな。