自分はある程度好きな音楽が定まると、あまり守備範囲をひろげず、とことこ聴き込む性質。例えば、ジャズだったら、マイルス・デイビス一人で十分間に合うのですが、あとはコルトレーンとエバンスで補充すれば、もう新しい人とかはどうでもいい。
クラシックでもそうで、演奏家についてはピアノはグールドとアルゲリッチで事足りる・・・だったんですけど、最近、いやこれは、なかなか聴くべき、そして見るべきピアニストが増えました。
Khatia Buniatishvili・・・カティア・ブニアティシヴィリという若いピアニスト。
女性です。綺麗です。現在30歳。なんか弾けている感じがあります。一番大事な演奏も凄い。何がって、ピアノの演奏技術もバカテクですけど、表現もスピード・強弱とも自由自在で、ミスタッチなんてもまったく怖がっていない。
困るのは名前が覚えにくい。旧グルジア出身で、小さい頃から名だたるコンクールで名を馳せ、10年くらい前から一気に知名度があがり、世界各国でひっぱりだこの人気アーティストになりました。
YouTubeで、これまでの活躍はたくさん見れるわけですが、やはり現代的というか、ヴィジュアル的に生えることは、これまでの女流ピアニストの比ではありません。
アルゲリッチも若い時はかなりの美形でしたが(今もですけど)、かなり攻めているファッションにしても、弾いている時の表情にしても、ブニアティシヴィリは会場だけではなく、いろいろな形で動画として視聴するすべての人を意識しているんでしょう。
最新盤はラフマニノフです。協奏曲の2番と3番の組み合わせ。いずれも名曲、難曲です。どちらも、ネットの動画としても見れるので、その凄さは一目瞭然です。
フォルテッシモでの、強力な打鍵はスピードが速くなっても衰えることを知りません。独奏になると、どんどん早くなって、多少のミスがあっても怒涛の如く進んでいくエネルギーはすべてを許してしまう感じ。
一方、ピアニッシモではほとんど会場では聴き取れないんじゃないかくらい繊細な表現をする。まったく自由奔放に・・・まるでジャズのように弾いている感じがするのですが、オーケストラがうまいのか、アンサンブルの中への溶け込み具合も悪くない。
まだアルバムもそんなに多くないので、ずっと追いかけてみる価値がある新しいスターを見つけたという感じがします。