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2020年2月13日木曜日

Bernard Haitink RSO / Mahler Kerstmatinees (1977-1987)

ハイティンクはマーラー指揮者として有名だけど、全集はふにゃふにゃふにゃ・・・と書いてしまいましたが、そんなハイティンクの名誉挽回・起死回生の名盤とされるのが、毎年12月25日にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団と行っていた「クリスマス・マチネー」のコンサートのライプ集です。

とにかくネット民の中でも大絶賛ですが、まぁそんなことは無い。贔屓の引き倒しみたいなところで、所詮ハイティンクはハイティンク・・・・と、思って聴き始めたら・・・

ホンマやっ!! すごいやないかい。褒める言葉がなかなかみつからへんけど、ガンガン響いてくるマーラーでっせ!!

何も関西弁にしなくてもいいですけど、ライブの緊張感とホリデーの楽しさが、ちょうどよく均衡を保ったのか、メリハリのある音がビシバシと奏でられるのですが、余裕も感じられ、稀代の名演となっていることに激しく同意するしかない。

1977年 第1番
1978年 さすらう若人の歌 ベンジャミン・ルクソン(Br)
1981年 少年の魔法の角笛(抜粋) トム・クラウゼ(Br)
1982年 第4番 マリア・ユーイング(S)
1983年 第3番 カロリン・ワトキンス(A)
1984年 第2番 ロバータ・アレキサンダー(S)、ヤルト・ファン・ネス(A)
1985年 第7番
1986年 第5番
1987年 第9番

残念ながら、第6番、第8番はありません。経営側との軋轢から、1988年にハイティンクはコンセルトヘボウ管の首席指揮者を辞任しているため、第9番が首席としての最後の録音になりました。あと数年続いていたら、最高のライブ交響曲全集が完成していたかもしれません。

放送用の音源から取られていて、しばしば音質が良くないと言われますが、極上ではないかもしれませんが、普通に問題ないレベルです。

特に第5番は世評通り、出だしからぐっとくる。全体を貫く適度の緊張感が持続して、ハイティンクらしからぬ熱い心情がほとばしり続ける演奏です。

ハイティンクは、この後、ベルリンフィル、シカゴ響など、あるいは再びコンセルトヘボウとも組んだ多くのマーラー録音が発売されています。それらの中には、Philips盤を超えると評判の物も少なくはありません。

ただし、全貌を把握するのは容易ではなく、ハイティンク・ファンはともかく、普通のマーラー・ファンは完成している全集とクリスマス・マチネーの選集だけでも、十二分に楽しめる内容です。