2020年2月27日木曜日

田園都市リウマチフォーラム中止

WHO Situation Report より

仮にも医者が書いているブログで、内科医ではないと言っても、昨今の新型コロナウイルスの問題は避けては通れない。

現実に、マスク不足、消毒用アルコール不足は深刻で、実際の診療の現場にも影を落としており、各種の講演会・会合も軒並み中止されている状況です。

実は、昨夜は自分たちが世話人として携わっている「田園都市リウマチフォーラム」の第28回の予定でしたが中止しました。今回は初めての試みで、複数の演者による講演と、パネルディスカッションによる在宅リウマチ患者の問題を取り上げる予定で、かなり企画としても練ってきた内容でした。

登壇を依頼していた先生、また出席を予定してくださった先生方には大変ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。この内容は、必ず再度実現できるようにいろいろと調整をしていけるように努力いたします。

感染症そのものは、大多数(80%程度)は通常の風邪程度で終わっていますが、もちろん重症化し、中には死亡する場合も数%発生しています。だからといって、季節性のインフルエンザと物凄い差があるわけではなく、やたらと怖がる必要はありません。

一番怖いのは、根拠のない自信に基づいて自己を優先し、その結果として大流行を招いたり、流行が遷延化していく事態になることだろうと考えます。少なくとも治療薬が確立できるまでには、どんなに早くても半年から1年は必要です。

つい先日、厚生労働省、およびその専門家会議などから、一部の地域での散発的な発生から大流行に移行するかどうか、今の時期が大変に重要であるという主旨の発表がありました。

本来、すべての集団活動行事を禁止できれば話は簡単ですが、経済活動も止めてしまうことは現実的に不可能ですし、昨今の「人権優先」ばかりが先行する時代では、猛烈な抵抗が出ることは容易に想像できます。

でも、個々が可能な限り行動を自粛していかないと、韓国の爆発的な患者増加の事例を見るまでもなく、早期の収束は見込めません。日本の場合は、夏のオリンピック開催という国民的・国際的行事が控えているだけに、より深刻に受け止める必要があります。

イベントの類は、天災等による中止の保険は入っていても、感染症流行に対しての保障は無いため中止できないという話がありますが、もっとも感染の拡散を引き起こす場でもあるので、政府は何らかの中止による損害の補填を検討しても良いかもしれません。

メディアは、いろいろな早期の対応のまずさを批判する内容の報道をよくしています。もちろん重要なことではあると思いますが、例えばクルーズ船内の現場で実際に対応した方々の情報が少ない中での努力は測り知れないものがあると思いますし、デマに近いものまで含めて報道して不安を煽る側面が強くなっているので注意が必要です。