古い物は、どうしても戦争と関連して戦闘機が出てきて、飛行機そのものよりも戦闘シーン、あるいは戦争そのものをテーマにしたものが多い。
70年代には、いわゆる「エアポート・シリーズ」のアメリカ映画を中心に、飛行機に関連したサスペンス物、パニック物がたくさん作られました。
日本では、最初に思い出すのが「アテンション・ブリーズ」という30分物の連続ドラマ。紀比呂子さん演じる新米スチュワーデスが成長していく話で、後に上戸彩でリメイクされました。
また「大空港」という空港警察を題材にした鶴田浩二主演の刑事ものもありました。これは、今でいう月9ドラマで、2年間という最長期間放送され、次々とレギュラーが殉職するのがすごかった。
80年代には、何と言っても「スチュワーデス物語」でしょう。堀ちえみの新米スチュワーデスが、徹底的にいじめられるという漫画を超えたシチュエーションがうけました。
そして、時代が変わり、スチュワーデスはキャビン・アテンダント(CA)と呼ばれるようになり、最近ではLow Cost Carrier (LCC)という格安航空会社の登場により、CAの花形職業としても存在感も変化しています。
2003年のTBSドラマ「Good Luck!!」は、副操縦士の木村拓哉主演で、初めて旅客機が飛ぶということをリアルに描いた作品でした。
相手役は、地上の整備士である柴咲コウで、共に成長していく中で次第に惹かれていきます。もう一組の主役は、過去の事故をひきずる機長の堤真一とCAの黒木瞳。
ラブ・ロマンス的な部分は薄めで、どちらかと言うと根性物に近く、全日空の全面的な協力の元、パイロットの仕事がどういうものかを伝えることに成功した作品で、井上由美子の脚本が素晴らしかった。
このドラマの後、全日空だけでなく航空業界の就職希望者が急増したというのは有名な話で、社会的影響も大きかったといえます。
実際の現場からみれば、「それは無い」と言いたくなることもあるとは思いますが、飛行機に関連する仕事を大げさすぎない事件の中で、できるだけリアルに、そしてドラマティックに紹介することができた功績はおおきい。
後テーマの山下達郎の「Ride on Time」が流れるとそれなりの感動を呼び起こし、20年近くたっても面白さは色褪せません。