クリント・イーストウッドは大好きな俳優であり、映画監督でもあります。たくさんある出演作品、監督作品はいずれも見るべきものがある・・・はずなんですが、中にはとほほな作品が無いわけではありません。
イーストウッドのとほほ作品を探せと言われて、最初に思いつくのがこれ。前半の暗くて重厚な絵作りから一転して、後半は戦闘機の空中戦の模様が延々と続き、その単調さが際立ちます。
1977年の「スター・ウォーズ」以後、映画界はSF作品が次から次へと登場しました。いわゆるSFX手法を用いた、普通では撮影できないかっこいい映像が求められた時代ということでしょうか。
ここでも、「スター・ウォーズ」で一躍名をあげたジョン・ダイクストラがSFXを担当し、空中戦シーンを作り上げました。それはそれで当時としては見事なSFXなんですが、何しろ長すぎる。
旧ソビエト連邦に潜入したアメリカ人スパイが、一人で敵の新型ステルス戦闘機を奪取するという話。そもそも、協力者がいるとは言っても、これだけのおおきな作戦をたった一人でというのが非現実的。
開発した科学者たちが簡単にスパイを信用して寝返るとか、そもそも戦闘機を奪えるのも偶然みたいなところで、出たとこ勝負的な展開が都合がよすぎます。
興業的には比較的成功した作品ですし、無理やりイーストウッドの西部劇との共通点を探すこともできなくはない。ただ、戦闘機が主役として幅を利かせすぎた感は否めません。まぁ、イーストウッドなので許しますけど。
ちなみにDVDはほとんど125分のテレビ用短縮版ですが、Blurayでは136分のオリジナル公開版が視聴できます。
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