2020年10月11日日曜日

踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ! (2003)

踊る大捜査線・・・と言えば、平成を代表するテレビ・ドラマであり、それから派生した一連の映画などは、連鎖反応的に人気を呼び、関係したそれそれぞれの代表作と呼ばれる存在になったシリーズ。

スタートとなったテレビ・ドラマは、1997年1月~3月に放送された11話。放送時でも平均視聴率は18.2%だったので、かなりヒットしたドラマと言えますが、放送終了後にビデオが発売されて人気がさらに上昇したようです。

同じ年の年末に最初のスペシャル・ドラマが作られ、翌年6月に同じ設定で主役を変える最初のスピン・オフ・ドラマが作られました。さらに10月に2本目のスペシャル・ドラマをに連続して映画版第1作が登場しました。

2003年に最も成功した映画版第2作、そして2005年はスピンオフの映画2本とスペシャル・ドラマ2本が作られ、人気のピークを迎えました。

2010年、映画版第3作。そして、2012年9月に最後のスペシャルドラマと、連続してシリーズの最後となる映画版第4作が公開されました。

内容的には、所轄と呼ばれる地域の警察署の現場の警察官と本庁の現場の事より自らの保身重視のキャリアとの対立を軸に、犯罪そのものよりもギャグ満載で人間関係の面白さを描いた作品と言えると思います。

長期のシリーズ化によって、視聴者は主役の青島刑事(織田裕二)に、感情移入して彼の成長を一緒に体験していく錯覚をします。しかし、積極的な恋愛については最後まで明らかにはなりませんし、そもそも青島の私生活については一切踏み込んでいないところが面白い。

あらためてシリーズを全部見てみると、やはり映画第2作までが最も楽しめる。以後のスピンオフ作品は、「踊る・・・」の世界観に入り込むためには楽しいのですが、内容としてはパワーダウンは否めない。

また、第3作は久しぶりの復活で、自らのシリーズをオマージュしたような内容。最後のスペシャルドラマは緊張感が無く、最後の映画のための話題作りとしてシリーズを思い出すためのもの。

そして、最終映画第4作は、根本的なテーマだった現場とキャリアの対立そのものから発生する警察内部の犯罪を扱っていて、最後に相応しいかなり重たい内容。

ただし、事件そのもの、そして警察内部の解決の仕方が安易で深みに欠ける。そして、これまでの登場人物が再登場して有終の美を飾り、とりあえず何とかシリーズを締めくくったという感じ。

もっとも、シリーズのファンとしてみれば、いずれもちょっとした仕掛けが散りばめられていて、どの作品もそれなりに楽しめる娯楽作品であり、十分に時間を割く価値を見出せると思います。

最近の若者には、すでに知らない人もいるでしょうし、10年、20年単位で価値観も急速に変化している現代では、通用しないような話になっているかもしれません。ただし、細かい世界観を知らなくても、映画版第1作と第2作は単独でも楽しめる作品として、おススメできると感じました。