2025年11月15日土曜日

ランサムウェア


ランサムウェアとは、コンピュータ・ウィルスの一種で、感染すると保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復旧させるための金銭などを要求する不正プログラムのこと。

近年、新たに登場したわけではなく、コンピュータおよびインターネットの黎明期からすでに存在していたわけで、1989年の「トロイの木馬」として有名になったプログラムが最初と考えられています。

20世紀は、一つ一つのコンピュータは独立した仕事をする場合がほとんどでしたから、さまざまなコンピュータ・ウィルスが登場しても、被害があっても個々のコンピュータの問題であることがほとんどでした。

しかし、今では組織内のコンピュータのみならず、世界中の家庭のものですらインターネットを介してつながる時代になり、問題が起こるとその影響は多岐にわたって拡大します。

現在、日本の企業でランサムウェアの攻撃により著しく業務に支障をきたしているのがアサヒ・ビールとアスクルです。アサヒ・ビールは、アナログな手段により、受注・出荷を少しずつ再開していますが、いまだに解決には至っていません。

アスクルは、どこの企業でも日常的に使われる消耗品全般を扱い、注文すると基本的に「明日、来る」ので、多くの会社が利用しているもので、自分のクリニックでも医薬品などを除くと、主要注文先として開院以来利用しています。

注文するとすぐに届くということは、自社で在庫をたくさん抱える必要が無いことが大きなメリットなんですが、ひとたびアスクルがストップしてしまうと、証文品はすぐさま枯渇してしまうことになります。あらためてアスクルの有難味がよくわかるというものですが、同時に代替えとなる入手手段を考えないといけない。

トイレット・ペーパー、ペーパー・タオル、ティッシュ・ペーパーなどは、近くのホーム・センターに買いに行けばいいのですが、持ち帰るのはかさばって大変です。Amazonなどの別の通販を利用することもできますが、配達時間などが不定なので頼みにくい面があったりします。

アスクルを日常的に利用する酒屋さんが、一番困っているのかもしれませんが、とにかくランサムウェアの問題は他人事ではありません。コンピュータの発展は、便利になると同時に不便になるところも増えていると認識しないといけないということ。薬でいえば、主作用と副作用は表裏一体と同じです。