2025年11月3日月曜日
ちょっとだけエスパー (2025)
この秋のテレビドラマで注目していた作品の一つがこれ。
何しろ、大泉洋主演、ヒロインが久しぶりの連続ドラマ登場の宮﨑あおい。二人は2018年の「あにいもうと(TBS)」以来2度目の共演。そして、最も楽しみなのは脚本が野木亜紀子というところ。
野木さんのオリジナル脚本は、登場人物の作り込みがすごいのでドラマの奥行きがめちゃめちゃ深い。大泉洋出演作では、「ラッキーセブン(2012、フジTV)」、「アイアムアヒーロー(2016)」以来ということになります。
今作は、10月スタートのゴールデンタイムの新番組としては最も遅いスタートで、待ちに待った感じで否が応にも期待が高まりましたが、その期待をまったく裏切らない面白しさがすでにあふれている感じです。
平凡なサラリーマンだった文太(大泉洋)は、会社の金を横領して、仕事も家族もすべて失いネットカフェで細々と暮らすどん底の身。ある日、面接に行ったノナマーレという会社で、社長の兆(岡田将生)に謎のカプセルを渡され、それを飲めば採用と言われます。
そのカプセルは、世界を救うためにちょっとだけエスパー・・・超能力者になれるというもので、文太は社宅で四季(宮崎あおい)と夫婦として暮らすように言われます。文太はあくまでも世間を欺く仮の夫婦だと思いますが、何故か四季はまったく演技ではなく本当に文太を夫だと思っている様子。
文太の周りには、同じくノナマーレの社員である「ちょっとだけエスパー」な人々いる。桜介(ディーン・フジオカ)はどこでも花を咲かせる能力の持ち主で、円寂(高畑淳子)は念じるとちょっと温められる200w程度のレンチン能力があり、半蔵は動物と話ができてお願いを出来るというもの。そして、文太の能力は触れていると相手の心の声が聞こえるというものでした。
彼らに兆から送られてくるミッションは他愛のないものばかりで、これで世界を救えるのか疑問しかないものばかり。兆は世の中の出来事にはいろいろな選択肢があり、些細な事でもその結果は大きな変化につながることがあると文太に説明します。
ノナマーレの意味は、イタリア語で「Non Amare (人を愛してはいけない)」であり、文太にとっては仮の夫婦である四季への接し方が難しい。四季はノナマーレの社員ではなく、本当の夫が死んだことで心が壊れ、文太を本当の夫だと思い込んでいるのでした。
今のところ第2話まで放送されていますが、それぞれのちょっとだけの超能力がどのように使われていくのか気になりますし、一瞬登場して彼らがエスパーであることに気がつく大学生(北村匠海)もどのように絡んでくるのか注目です。
もちろん、仮の夫婦である文太と四季がどうなっていくのかも気がかりですが、何よりもノナマーレ、いや兆の真の目的が隠されているように思えるし、そもそも兆の正体も謎過ぎる。
まだ間に合いますから、これは是非みんなで見てもらいたい。社会派が続いた野木作品ですが、今回はちょっと肩の力を抜いて本人も楽しみながら話をつくっているのかもしれません。でも、第2話の衝撃のバッドエンドには、思わずびっくりして一筋縄ではいかない野木作品の闇も垣間見えました。
