2009年2月15日日曜日

Georges Pludermacher / Beethoven Piano Sonatas

Georges Pludermacherと書いて、何と読む。フランス人なので、名前はジョルジュでいいんでしょうが、姓の方が困った。

日本で発売されたCDでの表記はプルーデルマッハー。でも、それってドイツ語的な発音でしょう。どうも、ネットでいろいろ探してみると、プリュデルマッシェールと発音するのが正しいようです。そんなわけですから、情報がなかなか探しにくい。

実際、演奏しているCDも少なく、一般愛好家には知名度が高いとは言えません。ところが、この方、けっこう日本に来ていて昨年もコンサートをやっている。

また、来日した際にはピアニストの卵たちに指導することもけっこうあるようです。でもって、なにしろパリ国立高等音楽院教授という肩書きを持っていらっしゃる。

さて、そのプリュデルマッシェール氏の奇跡の名演奏が、このベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集なのです。TRANSARTという小さい会社から発売され、限定ものでCD10枚組。32のソナタで9枚、そして追加でディアベリ変奏曲も入っています。

ところが、限定発売で、すぐに廃盤。その後、BOXで再発売されましたが、これも現在日本では手に入りません。Amazon.ukなどでは、何とか見つかりますが、かなり高価なものになっています。そもそも、送料だけでもバカになりません。

さて、そんなマイナーな演奏ですが、何で注目したかというと、自分のクラシックの指南書である「クラシックCDの名盤」の中で、著者の一人福島章恭さんが、えらく推薦しているんです。こりゃ、是非聴いてみたいもんだと思ったわけですが、何しろ手に入らない。

自分の場合、どうやって音楽CDを手に入れるかというと、基本的にはHMVAmazonですが、たまたまGoogleで検索していたらYahoo Auctionにたどりついた。

なるほど、この手があったのかというわけで、早速即決で購入。かなり安価で、出品者はその価値がわかっていないんでしょう。中古とはいえ、品質は問題ありません。

ついに念願かなった演奏ですが、まず凄いのは、全曲ライブというところ。Tatiana Nikolayevaの全集もライブですが、素人が聴いても多少のミスは出てしまいます。Alfred Brendelの最後の全集でも、やっと一部だけがライブになっていました。

ピアニストにとってコンサートでのライブというのは、当たり前の仕事ですが、それをきっちりと録音に残すというのは相当神経を使うことでしょう。Pludermacherのは、たぶんノーミス。

しかも、4ペダルの特殊なピアノを使用していて、音の響きが違う。確かに、現役のピアニストの全集としては出色の出来映えです。フランス人とは思えない、ごつごつとしたぐんぐんと引っ張っていく推進力を感じることができます。

これまで聴いてきたベートーヴェンのソナタの演奏では、ベスト3くらいには入れてもよさそうです。

さぁ、次は誰だ!?