松下幸之助氏などは、昭和の立身出世の代名詞みたいなものですよね。28歳で、自らのアイデアである電球のソケットを売り出した。そこから松下電器(現Panasonic)を、一代で世界でも有数の企業に育て上げたわけですから、頭が下がる思いです。
資本主義の社会では、企業はどんどん収益を上げることが存在理由みたいなもの。もう、これでいいという具合に発展にストップがかかることはありません。
株式会社になれば、会社そのものは株主のものみたいなもので、経営者の思惑だけで好きにはできない。大きくなれば、従業員が増え社会的な責任も増大して、より多くの収益を上げることをせまられる。
この数ヶ月の急速な景気低迷により、企業の多くが膨大な減収を発表し、派遣社員の打ち切りが大きな社会問題になつています。企業がほどほどのところで、成長を止めていたらどうだったのでしょうか。もちろん、そしたら経済成長が止まってしまいますから、それはそれで大きな問題になっていたんでしょうね。
しかし、個人事業はちょっと違う。大きくするのも、時には小さくするのも事業主の気持ち一つです。味を保てないので、1日に限定数のラーメンを作ったらおしまいというラーメン屋さんなんかはいい例です。
クリニックも似たようなものですが、ちょっと違います。原則として診療を拒否することはできませんから、人気のクリニックは患者さんが増え、増えた患者さんをこなすためにいろいろ考えなければいけない。
最初は一人あたりの診療時間を削るしかありませんが、それも限界があります。診察室を増やして、医者が移動するともう少してきぱきとできます。それも一杯になってくれば、医者を増やすしかない。それも飽和したら、もう一つクリニックを作ることを考える。
まぁ、うちの場合は、ときどき患者さんをお待たせすることはありますが、たいていは患者さんといろいろな無駄話をしたりすることは珍しくないクリニックですから、その辺の悩みは少ない。
できるだけ喋りたいたちなので、混んでいて説明し足りないと、自分の方が妙に不安になります。今くらいの診療スタンスが、本当はベストなのかもしれません。ただし、もちろんお金は無いより有る方がいいわけですし、いろいろな支出を考えると、まだまだ頑張らないといけないわけです。
もともと仲間の情報交換を目的としたグループがあったとします。最初は、単なる井戸端会議だったかもしれません。
人数が増えてくると、情報を均等に共有するために会報を作ります。このためにはお金がかかることになり、会費を集めるようになる。するとより会費を多く集めることができれば、さらに多くの情報を提供できるわけですから、私的な集団がオープンにするわけです。
そろそろ、わがままにはできませんから、きちんとした会社になっていくわけです。となると、一定の利益も上げていくことも考えないといけなくなってしまう。となると、手持ちの情報だけでは足りないので、どんどん情報を集めないといけません。
時には自分から情報を発信していくことも始めることでしょう。さらには、ほかの会社とも提携してより多くの情報を収集するわけです。でも、それは利益を上げるために他ならないわけで、もともとの存在理由とはかなり変質したものである・・・
なんて事を考えていたら、例によって何が言いたかったのかわからなくなってきました。結局、どんな形態になっていっても「初心忘れるべからず」ということですよね。