2009年2月27日金曜日

嫌われる医者

こんな開業医には2度とかかりたくない、と思っている方は60%もいるそうです。特に30代から40代の女性に多いようですが、港北ニュータウンのように、そういう世代の多い地域で開業している身としては聞き捨てならない話なのです。

スタッフの対応がいやだったという意見もありますが、その理由はほとんど医者にあるようです。

たとえば、医者の態度。上から目線のしゃべり方は嫌われる筆頭にあげられています。そして、医者の技術への不信感が続きます。さらに説明不足、あるいは説明がよくわからなかった、というのが、二度とかかりたくない理由のBEST3だということです。

患者の立場で考えれば、至極当然の話で、医者としてそういう部分をいつでも意識していられるかと言うことが大切。

自分は医者と患者は対等と考えています。どたらかがへりくだる物ではなく、病気やけがの治療は医者と患者の共同作業。

ですから、話し方には気を遣っているつもりです。ただ、相手の雰囲気に合わせてしゃべり方などはいろいろ変えていますので、そのあたりのつかみ方を間違えると相手に嫌がられることがあるかもしれません。

医療技術についてはひたすら精進しかありません。もちろん開業医にはできないことがたくさんあります。しかし、開業医にしかできないこともあるわけで、あとは自分の技量をしっかり知っていることが大切です。

できないこと、知らないこと、わからないこと、そういうことを自分で知って、そのことを患者さんに伝えることが大事だと思っています。

できる振り、知っている振り、わかっている振りが最もまずいわけですが、できるつもり、知っているつもり、わかっているつもりというのも困りもの。結局、勉強しかありません。知識を増やすことには貪欲でないといけないということです。

説明不足というのは、難しい。わかるように話そうとすればするほど時間はかかります。一人の患者さんにさける時間を、いかにうまく使えるかがポイント。

一度に多く話しすぎても、ふだん聞き慣れない言葉では患者さんの頭にはほとんど残りません。短くてもエッセンスだけをきちっと押さえていれば、次の来院の時に続きの話をすることができます。

話術というのは、特に教わる物ではなく、少しずつ自分の中でできあがっていくので、若い先生方はできることなら、多くの先輩の外来をしっかりと見学することをおすすめします。

それでも、あとは人間同士の関係ですから、合う合わないがどうしてもつきまとう。お互いに合う相手に会うことが、最良の結果を生み出すことは否定できません。そのためにも、もう一度自分の診療姿勢を点検しないとと思ったのでした。