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2010年5月19日水曜日

新型骨粗しょう症

いつもあざみの棒屋先生がNHKの「ためしてガッテン」の話題をしているのですが、今夜は自分の領域に飛び火してきました。というのは、今夜のテーマは「新型骨粗しょう症」ということで、整形外科医としては聞き捨てならない。

それにしても、この番組の構成といったら、どうも思わせぶりすぎてちょっとイライラするぅ~(いとうあさこ風)
小さいことを膨らませられるだけ膨らませて、なかなか本題にはいらないんですよ。

ちょっとリウマチの方面ばかりの勉強ばかりしていて、実は「新型骨粗しょう症」という言葉を聞いたことがありませんでした・・・が、しかし!! 確かに、通常いわれているような骨密度の減った状態(強度の低下)ではなく、剛性(つまりしなやかさ)が現象したところから来る背骨の圧迫骨折というのは、それほど珍しい話ではありません。

でも、正直に白状しますと、その剛性の低下の原因が、糖によるものというのは知りませんでした。どうもすみません。骨の剛性は骨内のコラーゲンによるものですが、糖がコラーゲンの架橋強度を増して、かえってしなりがなくなり折れやすくなるというのは知りませんでした。

もともと、骨密度というのは測る場所によってばらつきが大きいし、検査自体の誤差も少なくない。さらに骨密度以外の要素も加わってくれば、今後骨粗しょう症の評価というものが難しくなっていくことは間違いありません。

経験的に糖尿病の患者さんではやや骨折が起こりやすいというのは珍しい話ではないのですが、そういうわけでしたかというわけで、ガッテンしたわです。なかなかさまざまな最新知見を吸収することは大変でして、こういう番組もけして悪くはないなぁと思いました。

ただ、一般の方から見ると、病気の怖さをあおられているような構成の番組であるという印象は否めません。天下のNHKといえども視聴率を無視することはできないという現実があるんでしょうね。