2011年7月28日木曜日

御悔み 小松左京氏

7/26に小松左京氏が亡くなったそうです。享年80歳。

昭和の時代に、日本のSF小説が花開き、筒井康隆、眉村卓らとともに牽引力となった重鎮です。1973年に発表された「日本沈没」は空前のベストセラーとなり、当時を知る人間で知らぬ者は日本人としてはもぐりと呼ばれてもしょうがない。

地震による被害を、現実にそくして学問的にも可能な限りリアルに描いて、もしもの時は日本は消失するんだと、誰もが信じたものです。3月の東日本大震災でも、日本沈没の可能性の一端を頭の中によぎらせるものだったと言えます。

ただ、残念だったのは、日本が消失するというショッキングな展開にばかり目がいってしまい、小松左京が本当に描きたかった、祖国を失った日本民族の「漂流」というテーマにいては、ちょっと忘れられがちだということです。

小松左京を失って、日本のSF小説という分野は推進力を絶たれてしまったかもしれません。SF(science fiction)というジャンルは、科学的根拠をもとにした小説であって読者が納得できるリアリティを内包しているものです。今やSFのFはfantasyとなってしまい、まったくの絵空事、まさに空想だけの世界になっていないでしょうか。

合掌。

フェアレディZ、スカイラインGTRや、スープラなどの走りを楽しむための自動車、つまり燃費なんて二の次という車は、もう日本では作られない。プリウスαは、あくまでも快適な空間で、かつecologyな走りを求めるという要求を代表する車といえます。自分も含めて、日本人の車に対する価値観が大きく変化したことを端的に表していますね。