整形外科に限らず、今やそれぞれの専門分野の学会が認定する専門医制度というのが普及しています。自分も日本整形外科学会の認定を受けていますが、これを取得するためには筆記試験と面接による口頭試問がありました。
口頭試問は、面接官は3人。そのうち一人は、見た事がある某大学教授でしたが、主にいろいろと聞いてくる方は誰だかわかりませんでした。これが、なかなかの嫌味なおっさん。
入って名を名乗りお辞儀をしたとたん、最初の開口一番に言われた事は、「君、お辞儀というのはね、小笠原流では背筋をまっすぐにして45度かたむくんだよ」
もう、???という感じ。そりゃ、なんとか流みたいな作法を知っているわけがありませんが、少なくとも世間一般では普通のくらいのお辞儀はしているつもりです。こいつ、喧嘩売ってくるつもりかいと、多少むかついた。
もしも、礼儀作法がなっていないと言うなら、これは試験なんですから、黙って点を引けばいいこと。最初から相手を威圧するようなことは、自分のほ方が何でも知っているぞと威張っているようで、いただけません。
自分のクリニックでは、医者としての仕事以外で一番の面倒な事は労務管理だと思います。これさえ無ければ、本当に気楽なんですが。スタッフとして採用した方々には、いろいろと家庭の事情などがありますので、数年で辞める方が多いものです。
余裕があれば常勤を入れたいのですが、うちのクリニックは、今のところスタッフは全員パート勤務。まぁ、しょうがないと言えばしょうがない。そこで、年に一度くらいは募集をかけることになるわけです。
そうなると、必ずやらなければいけないのが面接。面接は本当に苦手。はっきり言って、いまだに何を聞いたらいいのかもよくわからないし、そもそも何を基準に決めるかもよくわからない。幸い、ほとんど良いスタッフにめぐまれてここまで来ていますが、失敗したこともある。
「がんばります」と言って働き始めたのですが、1ヶ月くらいで来なくなってしまった人。どうしても仕事が覚えられず、「できません。辞めます」といって半年で去っていった人。
続けて働いて欲しかったのですが、ご主人の仕事の都合、引越しの関係、妊娠・出産のため、病気などで「辞めたい」と言われると、本当に辛い。事情が事情ですから、何とか継続できる方法は無いかと考えるのですが、なかなか簡単には解決するものではありません。
でもって、結局、最も苦手な面接の仕事をすることになるわけです。短時間で人を見極めるなんて、そんな大それた事は、簡単にできるものではありません。医療は性善説を基本にしてるわけで、面接も応募した方は皆いい人と思ってやるしかありませんね。