クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
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2019年1月19日土曜日

新幹線大爆破 (1975)

ヤクザ映画ばかりになっていた高倉健は、1970年に高倉プロを創立し、自身の方向性を変えようとしていました。そして、1976年からは東映からの完全な独立を果たすことになります。

「新幹線大爆破」は健さんのキャリアで東映専属の最期を飾るもので、オールスター・キャストによる、当時アメリカで流行していたパニック物の日本での先駆けとなる作品となります。

開業から10年を経過し、安全神話の中にあった新幹線の盲点を突くプロットは秀逸で、高倉健にギャラは少なくても、犯人役でもいいから出演したいと申しださせることになります。高倉が出演が決定したことで、犯人の視点を描くシーンが追加され、映画全体の奥行きが深まったことは成功の一因でしょう。

ただし、新幹線が犯罪に利用される話を嫌った国鉄(現JR)からは協力を拒否されたため、実写で迫力のあるシーンは撮影できず、やむをえず模型を使用した特撮が行われました。今のCGなどを含むリアルな特撮からすれば、おもちゃであることは簡単にわかりますが、当時の技術力からすれば妥当な線だと思います。

倒産した町工場の社長だった沖田(高倉健)は、互いの境遇から信頼関係を築いた古賀(山本圭)、ひろし(織田あきら)らと、時速80km/h以下に速度を落とすと爆発する爆弾を新幹線ひかり109号に仕掛けます。爆弾の信憑性を証明するため、別の貨物列車にも同様の爆弾を仕掛け爆発させました。

運行指令室で、色々な指示をする責任者は宇津井健、鉄道公安本部長は渡辺文雄、捜査に当たる警察は鈴木瑞穂、青木義朗、黒部進など、新幹線の運転手は千葉真一、小林稔侍、同乗していた鉄道公安官は竜雷太、パニックになる乗客は田坂都、十勝花子、藤田弓子などなど。

起きたの妻に宇都宮雅代、国鉄総裁に志村喬、内閣官房長官に山内明、さらに特別出演として、丹波哲郎、北大路欣也、川地民雄、田中邦衛。ちょっとだけの顔出しで、多岐川裕美、志穂美悦子、岩城晃一なども出演しています。

とにかく、昭和を代表する俳優たちのオンパレードですが、ほとんどは犯人高倉健、指令室長の宇津井健、警察の鈴木穂積のやり取りが中心のサスペンス。パニック映画という観点からは、新幹線車内の混乱描写が少なく物足りなさは否めませんが、綿密に計画した犯罪がしだいに綻びを見せていく過程のスリルは十分に堪能できます。

落ちぶれた中年の犯罪者という、それまでの健さんのイメージからはありえないキャラクターでしたが、この役を得たことでこの後の高倉健の再出発の一つのイメージが出来上がったことはまちがいありません。