2009年10月5日月曜日

整形外科と整骨院

整形外科と整骨院はどう違うのですか? という質問をしばしば受けるんですよね。さらに整体やカイロプラスティックはどうなんですか? というのもあります。

確かに整形外科そのものが何を扱うのかわからないという方がいますので、その他のものにいたっては何をか言わんやの状態です。

整形外科というのは、一言で言えば内臓以外の運動器を扱う医学で、主として外科的な方法によって治療を進めるものです。

実際には頭の部分と胸と腹の中身を除いた部分が対象ということで、主として四肢と背骨を扱うわけです。そこには骨、筋肉、神経といった組織が大多数をしめています。

中身としては病気と外傷があります。病気では、関節リウマチや痛風のような炎症性疾患、奇形のような先天性疾患、そして骨粗鬆症や骨の変形のような加齢性疾患、骨肉腫などの悪性疾患などがあります。

外傷は骨折、脱臼、捻挫、打撲、切り傷などなど。症状は痛みが最も多く、しびれ、脱力、変形などが含まれてきます。

従って、対象となる方は老若男女を問わず全ての方々となり、他の科の病気とリンクすることもしばしばあるので決して楽な科とは言えません。

整骨院というのは柔道整復師という国家試験資格を持った方が経営している治療院のことです。

もともと「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師等に関する法律」によって規定されていた、西洋医学を基本とする医療とは別の主として体の痛みを和らげる療法の中から、柔道整復師だけが昭和45年に独立した国家試験資格となりました。

その名が示すとおり、柔道で骨折・脱臼などのけがをしたときに応急処置をすることができる資格というのが基本的な法律上の定義となります。このあたりは、いかにも日本独自のものということができます。

柔道整復師は、基本的には保険診療を行えるのは骨折・脱臼・捻挫などの外傷だけであって、肩こりや慢性的な腰痛や膝痛は保険を使った診療を行うことはできません。また湿布以外の薬の使用、レントゲンなどの画像診断などもすることはできません。

整体やカイロと呼ばれるものは、民間の資格であって医療あるいは医業とは厳格に区別されます。それらを教える学校によって、考え方や方法論が必ずしも一定ではないので、どこでも同じことをしているとは言えません。

大事なことは、うまく使い分けることだと思います。医者だからと言ってマルチなわけではありません。医者では良くならなかったが、整骨院で良くなったという方がいることは間違いありません。また、その逆も当然あります。痛みを和らげることができて、自分に合った方法に巡り会えることが大切なんですよね。