2009年10月24日土曜日

ひとつ、ふたつ、みっつ、腰痛

最近、やたらと若い腰痛の患者さんが多いような気がするのです。

自分がクリニックを開いている横浜市都筑区というところは、住民の平均年齢が若いことが特徴。クリニックの患者さんの年齢も40歳代~50歳代が中心という、整形外科開業としては経営的に大変苦しいわけです。

まぁ、そんなわけで、高齢者の腰痛は背骨の変形が進んでおり、治るか治らないかと聞かれれば、根本的に治ることはないと言わざるを得ません。それに対して、若い方の腰痛は背骨を支える筋肉に原因があることがしばしばあります。

こういう場合は、負担をかけすぎて背筋が悲鳴をあげているか、運動不足で背筋が弱くなってきているような場合が想像できるわけです。

よく「ぎっくり腰」と言いますけど、中には神経症状を出して、ほっとけないものがありますが、ほとんどは筋肉性の痛みです。数日間は痛みが強いのですが、1週間くらいでたいていはおさまります。

ですから、治療は1に安静、2に安静、34も安静、5に安静。痛み止めの内服薬や外用薬を適宜使用して、落ち着くのを待てばいい。痛みが強い人や、どうしても動きたい方には簡易コルセットの着用を追加します。

1週間して痛みが残っていたら、再診してくださいとお願いするのですが、まぁほとんど再診することはありません。あそこに通っても治らないと思われてしまったのかもしれませんが、やはりほとんどの場合はおさまってしまうんでしょう。

それはそれでいいわけです。もっとも、だから経営的に辛いところではあるわけですが、お話しした予想の通りに痛みが遠のいてくれればクリニックの信用にもつながるわけです。

ただ、そういう患者さんには、腹筋とか背筋の筋力アップのお話をすることが多いのですが、痛みが取れてから運動をしてくれているのか気になるところ。実際には、なかなかトレーニングをする方は多くないのではないかと心配しています。

自分が患者だったら、痛みが取れればそれでいいやと思ってしまいそうです。医者がそんなことを言ってはいけないのですが、実際のところ現役の社会生活をバリバリにしている世代では、いろいろなことで忙しくてなかなか自分の健康管理には手が回らない。たいていの腰痛では、死ぬことはありませんからね。

でも、何度も腰痛を出しているようじゃ、10年後、20年後が心配ですから、何とか自分の体力に過信せず、健康を持続できるように努力してもらいたいと思うわけです。