2009年10月21日水曜日

知らないことなんて山ほどある

そうでしょう。世界中の知識を得ることはできません。本当に、山ほど知らないことはありますよね。

自分が専門と思っていることでも、どうでしょう。たぶん、知っていることは知られた事実のうちのほんの一握りなんでしょうね。

テレビというのは、いらない情報を無理矢理押しつけてくるところもあります。しかし、時には、びっくりするような知らなかったことを教えてくれるのです。

昨日は「のどちんこ」の働きをテレビで見ることができました。おにぎりをたべる時ののどちんこの動きを、リアルタイムに画像で見せてくれたのです。のどちんこは身近な存在で、具体的な動きとか働きを気にしたことがありませんでした。

今日は脳を半分切除した少女の話をやっていました。脳を半分切除するということが現実に可能であるという事実も驚愕物でした。

自分が医学部に入った頃に、先生から言われたことを覚えています。「君たちは大変だね。私の頃から比べたら数百倍の知識を勉強しないといけないんだよ」と言われました。

でも、今の方が、もっと大変。指数関数的に知識は増大し、そのほとんどは「知らなければならない」知識となっているのです。自分が医学生だった四半世紀前から比べれば、今ではさらに何倍、いや何十倍にもなっていることでしょう。

自分はある程度専門分野だけに注意を払っていればいいわけですが、まだ専門が確立していない若い先生はさぞかし大変でしょう。

そうは言っても、自分が専門に選んだ関節リウマチは、広い医学の中でもとりわけ進歩が激しい分野。もう、正直言ってしんどいものがあります。なんで、こんなに進歩するのか。患者さんにとっては福音が増えていますが、医者にとっては・・・まぁ、そんなことを言ってもしょうがない。

医学以外でも、同じようなことはいっぱいあるでしょう。デジタル社会の急速進展を考えると、いわゆるITと言われているジャンルも大変でしょうね。自分が知っているころ・・・つまりBASICとかPASCAL・・・からすれば、すごい量の知識が必要なんでしょう。

ですから、いつも思うことは、知らないことを知らないと言えることが本当に大事だということです。

とにかく、テレビも使いようによっては、自分の不足を補う効果的な道具だということは間違いないようです。