先日、ある関節リウマチの患者さんが来院しました。近々、引っ越しをしてくるので通院先を探しているとのこと。第一候補があって、うちは第二候補だというわけです。
これには、ちょっと困った。別に、第二候補と言われて気分を害するような狭い了見は持ち合わせていないつもりです。困ったというのは、患者さんが何を求めているのかがはっきりしないということです。
どうも、医者というのは患者さんの困っている症状の原因を考え、それを取り除くための治療を行うというのが仕事ですから、この患者さんの場合は原因はわかっていて、現状では治療を求めているわけではないので、何をすればいいのかよくわからない。
いわゆるセカンドオピニオンとして、患者さんが現在の治療に対する疑問などについての意見を求めているのなら、話は簡単です。今回の場合は、そのクリニックではどんな治療が提供できるかの品定めというわけですから、うちでのリウマチ患者さんの治療の進め方について説明をしました。
もちろん、一生懸命アピールしてうちのクリニックに通ってもらえるようにすべきなのかもしれません。しかし、どういう理由で別のクリニックが第一候補で、うちが第二候補なのかがよくわからないので、どのようにアピールすべきか思いつきませんでした。
その患者さんが、最終的にうちのクリニックに来るかどうかはわかりませんが、もし来なかったら、それはたぶん自分の対応に不満を感じたせいなのかもしれません。
とりあえず、うちのクリニックでは・・・というか、自分は現在の専門的なリウマチ治療の標準的な方法からはずれたことはしていないつもりです。そのための知識のアップデートにも努力をしているわけです。クリニックとしての限界というものもわかっているつもりですから、他のリウマチ専門医や病院との連携もいろいろ構築しています。
そんなわけで、後でちょっと自分のリウマチ診療を点検するきっかけになったエピソードだったというわけです。もしも、その患者さんが再来した場合には、もうちょっとましな説明ができるのではないかと思ったのでした。