2010年3月13日土曜日

骨の勉強 in 横浜

機能に続いて今夜は、横浜の駅前にあるキャメロットジャパンホテルで整形外科領域の勉強会に行ってきました。

キャメロットジャパンはあざみ野棒屋先生の話で、しょっちゅう出てくるホテルです。泌尿器科の勉強会では、人数的にちょうどいいのかよくわかりませんが、整形外科関係はあまり利用されることが多くなくて、実は初めて行ったのです。

勉強の内容は、骨の基礎研究についてのちょっと難しい話が最初にありました。基礎研究の話は、直接勉強している人でないとちんぷんかんぷんであることが多く、やはり単純に理解することはできません。

もう一つの講演は「外傷性頚部症候群」についての話。これはいわゆる「むち打ち」損傷を含んだ話。交通事故で追突されて首に痛みが出る方は多いわけですが、中に大変長引く方がいることは確かです。中には精神的な理由が大きいことはよく言われることですが、最近話題になっているのが「脳脊髄液減少症」という病態。

これは、外傷により脳・脊髄を囲っている膜が破れて、そこから髄液がもれてしまうことが症状の原因であるとするもので、自分の血液を漏れている場所に注入して固まらせる治療が有効と一部の医師が主張しているのです。

一部の医師・・・というのは、まだ日本のみならず世界的にも、そういう病態があることが認知されていないのです。現実に「外傷で膜が破れて液が漏れだした」という証拠がありません。外傷と関係なくもともと漏れている人もいるし、漏れていても無症状の方も少なくないことが明らかにされています。また、治療法についても、それが本当に効果的なものかという根拠がはっきりしていないという状況です。

1週間くらい前にもTBSの報道番組で特集をしていましたが、正直な感想としては被害者側に立った報道で、公正な説明とは言い難い。「こんなに苦しんでいる人がいるんだから、早く医者は勉強してくれないと困る」というような結論でしたが、少なくとも科学的な証拠が十分とは言い難く、自分も納得できるような説明はいまだに知りません。今夜の講演も、その辺を研究することが急務であるという説明でした。

今夜も旧知の友人をみかけました。昨日の会で合った知人と一緒の病院の次に出向していた病院で一緒に働いたちょっと下の後輩です。彼とは大学が一緒ですから、その後もちょくちょく合いましたが、それでも10年ぶりくらいでしょうか。すっかり貫禄が出ていました。