保健医療の定価を決めているのは厚労省。その診療報酬点数というものが、2年に一回見直されるのですが、今年はその年。今夜は医師会の改定の説明会で、おなじみの先生方も出席です。
今年は相も変わらず、下げたり上げたりなんかいろいろいじりまくっていましたが、結局小泉改革以来下がり続けた診療報酬がやっと少しだけ上向き。とは言っても、自分にとっては事実上は値下げしか無く、ほんとため息をつくしかありません。
再診料はこれまで開業医の方が、病院より高く設定されていて、だから簡単な病気の患者さんも病院指向になると言われてきました。ですから、診療所と病院の再診料を同じにすることはいいと思いますが、今回の改定は病院を引き上げる代わりに診療所は引き下げです。
その分の埋め合わせのつもりなのか、地域医療貢献加算というのが新しく導入されました。これは診療時間以外にも、患者さんからの電話の問い合わせにいつでも迅速に対応するともらえる値段。と、いうことは、夜もおちおち寝ていられない。ゆっくり酒飲んでもいられない、ということですか。
結局、夜間の問い合わせに対応すれば勤務医の夜間の救急負担が減るだろう、ということらしいのですが、大変申し訳ありませんが自分にはできそうもありません。Dr.Flickerはすでにそれに近いことをやっているとのことで、いやもう頭が下がります。
救急医療や産科・小児科の問題はよく取りざたされ、今回もこのあたりを重点的に手厚くしたということですが、それは病院の収益であって、今までの自分の経験からはそれが、実際に働いている勤務医の収入に反映されることは、ちょっと考えにくい。特に大きい病院ほど、給与体系が決まっていて、いきなり例外的に格差をつけるなんてことは考えにくい。
とにかく診療報酬をいじっても、おそらく何の解決にはならないと思いますよ。医療制度のあり方そのものを抜本的に変えない限りは、今の医療の疲弊は止まることはないのではないかと思います。そう考えると、あまり楽しい未来はありません。
まぁ、小さなクリニックの院長がぶつぶつ言ってもしょうがありません。診療報酬か下がる分、とにかくより患者さんに来てもらえるように頑張るだけです。