2010年6月10日木曜日

ローリングコインタワー

患者さんにいろいろと説明をするときって、医者の頭の中ではだいたいシナリオが決まっているもんです。患者さんの具合によって、あるいはその時の混み具合とかで多少のバリエーションはありますけどね。

それでも、何十年とまったく同じセリフを言っているわけではありません。その時々の新知見を加えていったりして、しだいに内容は進化しているものです。それに流行を取り入れて、いつでも新鮮な雰囲気を漂わせれば完璧です。

例えば・・・最近好んで使っているフレーズは、
「20歳代、30歳代は何でもガンガンやっていても体は大丈夫。でもね、40歳代からは自分は若いと思うのは勘違い。50歳代になると勘違いもしてられない」というもの。

膝や腰の痛みの説明に入るための前ぶりみたいなもので、このあたりでぐっと患者さんの気持ちを鷲掴み・・・できればいいんですけどね。まぁ、医者の仕事時間の大半は喋りですから、話術についても多少は考えることがあるんです。

もう一つ、最近のお気に入りがありましたよ。ローリングコインタワーです。もちろんVS嵐の中でやっている競技種目です。最近の嵐の活躍はめざましいものがありますね。本当にメンバーの仲が良さそうなところが、見ていて嫌味がないところが人気の原因でしょうかね。

でもって、腰が痛い人がいるとしてます。背骨は鮭缶を積み重ねたような構造をしているので、ちょうどローリングコインタワーを想像するんですよね。

まっすぐ積み重なっていけば安定性がいいけど、間のクッションの役目をしている椎間板が痛んで傾くと不安定になります。タワーは最後には倒れてなんぼのテレビ番組ですけど、さすがに背骨が倒れたら笑い事ではありません。

でも、さすがにお年寄りには「ローリングコインタワー」のたとえ話をしても、まったく反応がない事がありますし、若い人にはかえって白けられて完全にすべってしまうこともあるので、使うときにはよく相手を見極めないといけません。