10月の中旬には、アメリカでリウマチの総本山みたいな学会がありました。アメリカリウマチ学会というのですが、そもそも全世界で使っているリウマチの分類基準というのを作った学会です。
この「分類基準」というのがくせものです。診断基準ではないのです。あくまでも、リウマチとそでないものを分類するだけのもので、診断を確定するものではないというわけですが、これはずいぶんとまやかしみたいなものです。
実際、診断するために誰もが使っていることは間違いなく、なんとなくごまかされているみたいな感じがします。昨年、この分類基準が22年ぶりに、やっと改訂されたのですが、今回からはヨーロッパの学会と共同の策定になっています。
それだけアメリカの学会だけでは物事が通らなくなっているということなんでしょう。世界的に、この10年間でものすごい勢いで進歩してきた分野ですから、もうアジアも含めた世界規模での研究の推進が必要な時代になってきたということです。
昨日の日曜日は、東京で行われたリウマチの学会に行ってきました。新しい分類基準の妥当性などの発表を聞いてきましたが、全体的には低調な印象でした。
もう少し次のステップを見据えたものが欲しかったというのが、正直な印象でした。実地の場で臨床をやっている立場としては、今までの総括的な話はもういいという感じです。
リウマチは治す時代になったとはいえ、実際に治ったというのはどういう状態なのか。どうやって治るようにもっていけばいいのか。臨床家が一番、それぞれで試行錯誤しているところに対しての答えがなかなか見つからない。
いずれにしても、次から次へと出てくる新しい情報をきちんと整理していくためには、なかなかただの開業医とはいえども、なかなか手を抜くことができません。