小田急といえば・・・そう、ロマンスカー。ピンポンピンポー、と軽やかメロディを流して箱根への旅情をかきたてるのでした。ひと頃、これが沿線から騒音と言われて、音を鳴らさなくなったんですよね。
大学に入って、明治神宮前から地下鉄千代田線に乗って、代々木上原で小田急線に乗り換え。ぜ、ぜ、絶対に座れない。始発の新宿で満席ですからね。そこから1時間以上立っているのはけっこう辛い。
そこで、原宿駅から山手線で新宿に出て、しっかり座っていく作戦を取るようになりました。少し遠回りで、時間が余計にかかるのですが、座っていけることにはかえられません。
電車の中では、座っている人と立っている人の間では、緊迫した心理戦が繰り広げられるのです。こいつは、完全に寝る体制に入っていて、相当長距離座っているに違いない。こいつは、本を読んでいつでも降りれる体制で、格好からして町田あたりで降りそうだ。
この人、自分が成城学園で降りると思っているらしいけど、そうじゃないからしっかりと寝た振りしよう。そうそう東海大学出版の本をこれ見よがしに膝を上に置いておこう。
まぁ、いろいろ考えるわけです。帰りがまた問題。本厚木で降りて、始発の準急を狙うと確実に座ってかえれます。ただし、止まる駅がけっこう多い。
時刻表には書いていないのですが、相模大野終点の各駅停車というのがあって、これに乗るという上級作戦があります。実は、そのまま相模大野から急行新宿行きになるので、車両を変える必要がない。
どうしても、座れないときは・・・しょうがないので、立ったまま寝るという高等テクニックを使うことになるのです。小田急線は昔から、学校が多く、激コミ私鉄の代表みたいなものでした。
そこで、吊り輪を二つ確保して、両手を引っ掛ける。あとは寝るだけ。めちゃめちゃ混んでいるので、ちっとやそっとでは体制がくずれることはないのです。
そんなことをしながら、2時間近い通学時間を楽しみにかえていた、あの頃が懐かしい。