昔は・・・って中高生の頃ですけどね、クラシック音楽でモーツァルトとかベートーヴェンなんていうと、ガチすぎて、聴くのは恥ずかしいみたいなことを思っていました。
なんかあまり聴いたことが無いような作曲家のものとか、ドビッシーのようなフランス印象派みたいなものが高尚な音楽で、通が聴く物だと・・・まぁ、ようするに、かっこつけていたわけです。
でも、実際この年になってあらためて聴いてみると、さすがに大御所の音楽はいい。時代をはるかに超えて、聴かれ続けるにはそれなりに理由があるということです。
ピアノ曲については、かなり広範に聴きこんでみました。たいていのCDは揃えたと思います。特にベートーヴェンとシューベルとのソナタは大のお気に入りとなり、現在手に入りそうないろいろなピアニストの演奏を聴きました。
そこで次は室内楽。こちらは、ピアノ独奏よりかなり深いようで、いろいろなパターンがあり、とてもとても制覇するところまではいきそうもありません。
まずはこれだけは押さえておかないとというのが、やっぱりベートーヴェン。バイオリン・ソナタ、チェロ・ソナタ、ピアノ三重奏、そして弦楽四重奏。これくらいはクラシック音楽、特に室内楽を聞く上ではずすことができない名曲の数々といえます。
特に弦楽四重奏については、ベートーヴェンの遺した作品の中でも最重要の一つと考えられていて、録音されたセットも数多い。
アマデウス四重奏団、アバン・ベルク四重奏団、ブダペスト四重奏団、エマーソン四重奏団、メロス四重奏団、イタリア四重奏団、スメタナ四重奏団など、名演奏と言われているものは数多くあります。しっかりと安定したものから、過激にせまってくるものまで、面白さは名演の数だけあると言えます。
そんな中で、ちょっと録音は古いのですが、人気投票をすれば一位に推す人が最も多いかもしれないと思われるのが、ズスケ四重奏団でしょう。
1967~1980年という比較的長い期間で、アナログ全盛期の優秀な録音で、すぐそこで演奏してくれているようなリアルなサウンドも素晴らしい。
定評のある内容は、今更言うまでもありません。丁寧にしっかりと演奏され、奇をてらうことなく真摯に音楽に向かう雰囲気がしっかりと伝わってきます。
特にこの全集は、弦楽四重奏16曲+大フーガという普通の全集に番外の曲や弦楽三重奏曲まで含まれるという、大変お買い得なセットになっているのも嬉しい。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を最初に聴くには最もふさわしく、安心して誰にでもお勧めできます。是非楽しんでください。