先週開幕したロンドン・オリンピック。そろそろ半分くらいの競技が終了してきて、朝のニュースで日本の選手たちの活躍に一喜一憂するパターンに慣れてきました。なにしろ時差があって、なかなか夜中にリアルタイムに観戦とはいきません。
日本は、全体的にはメダル獲得数もまぁまぁ。けっこうがんばっていると評価できると思います。金メダルが少ないのは・・・やはり柔道壊滅がもっもと影響していることは間違いない。
4年前の金メダリスト石井選手が、オリンピック後に電撃的な柔道引退したことは記憶に新しい。そのときは、石井選手の風変わりな面ばかりが目立っていました。しかし、今考えてみると、石井選手が柔道を続けたくなるような状況がなかったことが今回の結果につながっているような気がします。
柔道は、国際ジュードーと袂を分けて日本古来の伝統の中で生きていくのか、それともしっかりとモダン柔道を受け入れて世界の中で戦っていくのか、そろそろしっかりとした決断が必要なようです。
それにしても、すでに前半だけでさまざまな問題が噴出している今回のオリンピック。
開会式では、インド選手団の列に関係ない女性が混ざって行進。日本選手団は誤って退場させられる。ポール・マッカートニーの演奏では、事前に録音されていた音声が、生演奏にかぶってながされたり。これは大会運営上の不備。
競技会場ではスポンサー企業の優位性がはっきりしてあって、例えば会場内のSUSHI店では、スポンサーになった企業がないという理由で醤油がおけないらしい。ホンマでっか? という話があったりします。
柔道の審判制度のジュリーの存在は、見ている側からは大変わかりにくく、直接判断をしている審判の存在意義が無くなっている。これは柔道競技そのものの問題。
同じく、審判の採点の不備が露呈したのが体操の団体競技。日本が抗議して銀メダルとなりましたが、結果としてメダルからはずれたチームにとっては納得できないこと。適正で公平なジャッジ・システムの問題は、なかなか難しい。
なでしこジャパンは予選リーグで、トーナメントを優位にすすめるために意図的に引き分け。サッカーでは普通の戦略ですが、佐々木監督がそれを口にしてしまったのはまずかった。もっともサッカー連盟からはお咎めなし。
その一方で、バドミントンでは無気力試合という理由で4チームが失格。これも、トーナメントの有利な枠を獲得するためでしたが、確かになんともあからさまなひどい試合です。あきらかに点を取らないように、負けようとしているとしか見えない。これはバドミントンの問題であるととともに、予選リーグと決勝トーナメントという制度上の問題もある。
それにしても、オリンピックでこんなことが公然と起こるのかと目や耳を疑ったのがボクシング。日本の清水選手の試合で、どう考えてもありえないような判定がされました。清水が何度もダウンをとっても、スリップとして扱いカウントをとらない審判。会場で直接見ている観客も、あまりの状態にブーイングの嵐です。
さすがに、清水選手の提訴が認められ判定が後から変更され、主審は追放されたということでしたが、いくら何でもひどすぎる。相手選手は巨額な賄賂を贈っていたという話も出ています。競技そのものの正当性、あるいはオリンピックの価値さえも脅かしかねない話です。