2012年8月25日土曜日

重たいドラマ

久しぶりに、テレビドラマをしっかり見てしまいました。

日本テレビは、今日は24時間テレビということで、嵐の二宮君主演の話。設定が胸髄損傷で、下半身の麻痺のために歩けなくなった青年となっていたため、整形外科医としては興味が湧きました。

内容はけっこう重たくて、ほとんど笑い声のないドラマでした。登場人物も、すべて何らかの心の重荷を背負っています。制作者は、見る者がそれぞれの視点で何かを考えて欲しいと思っているのでしょう。

脊髄損傷の患者さんの治療は、急性期から慢性期までずいぶんと関わってきました。一生手足が動かないという現実は、それ自体笑える要素は皆無です。我々医者ができることは、とにかく患者さんを前向きな気持ちにさせること。

最初に歩けないことを宣告するのは、医者も相当にストレスはあることです。もちろん患者さんは、医者以上に精神的なダメージを受けることは言うまでもありません。

そして、まず否定するところか戦いが始まります。続いて、何とかしろ医療サイドを攻撃してくる。それが無駄だとわかると、あきらめの気持ちになり、絶望するのです。

しかし、このステップ経て、やっとリハビリに本当に取り組むことができるのです。医者は、そのタイミングをしっかりと見逃さないようすることが大事。適切な時期に適切なリハビリ提示出来れば、想像していた以上の効果が期待できるものです。

今日のドラマでは、そのあたりの心の変化はうまく描かれていたように思いました。医療系のドラマはたいてい嘘っぽくてしらけてしまうのですが、今回はけっこう最後まで目が離せませんでした。