今日のネットニュースで、ある意味一番興味深かったのがこれ。
スペイン北東部の町の教会の壁に19世紀に描かれたキリストのフレスコ画が、地元の80代の女性により「修復」され、原画とは程遠い姿に変わり果てたとして、地元のメディアで大きく取り上げられている。
自称画家のヒメネスさんは、国営テレビの取材に対して、教会から修復の許可を得ていたとし、作業中に誰にも止められなかったと主張している。しかし、あまりの絵の変わりように、ネットでは賛否両論が巻き起こっているというもの。
実際の絵の状態については、こちらのCNNのニュースを見れば一目瞭然。 絵を見る目のない自分には、元の絵にどれほどの価値があるかはよくわかりません。ただ、おそらくキリストに対する信仰心から実直にキリスト像を描いたものだろうと想像できます。
「修復」されたとされる絵は、ほとんどオリジナルの片鱗すらなく、どう贔屓目に見ても修復ではなく改変としか言いようがない。しかも、アートとして評価する価値観もあるかもしれませんが、こどもの書いた父の日のお絵かきみたいな感じで、とても芸術として評価できるようなものではない。
この改変された状態を支持して、原画を復元する計画を思いとどまるよう求めるオンライン嘆願書には5000人もの署名が集まったということにも驚きです。嘆願書サイトを立ち上げたユーザーは、修復された絵は「教会の天地創造説を巧みに批判し、新たな偶像の復活に疑問を投げかけるものだ」とコメントしているそうです。
しかし、これは絶対に誤りだと思います。もとが、ヒメネス女史のオリジナルの仕事であれば、つまり模写として世に出てきたのであればそういう考え方はあってもいい。しかし、修復という作業は、原画を忠実に復元することであって、作業する人の主観が入ることは許されません。
なんにしても、世界中にはいろいろと面白いニュースが転がっているものです。