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2015年4月5日日曜日

復活祭

昨年、ジョン・エリオット・ガーディナーのバッハの教会カンタータ全集が発売され、もともと教会暦に沿って、1999年のクリスマスから1年間かけて毎週行われた連続コンサートのライブということで、聴く方も同じように毎週順番に聴いてみようと思い立ちました。

そもそもキリスト教どころか、仏教ですらよくわかっていないわけですし、クラシック音楽の中で声楽は最も苦手にしていたのに、ずいぶんと無謀な計画を立ててしまったものだと思います。毎日ブログを書くという習慣が無かったら、とっくに挫折していたかもしれません。

思い立ったのが四旬節の時期だったので、実際にカンタータを聴き始めたのが「マリアのお告げの祝日」から。そしたら、いきなり受難週に入り、もう受難曲だけでもアップアップになって、復活祭から、何となく本格的に聴くための自分なりのルールみたいなものができました

そして、今日は復活祭、イースターのお祭り。正真正銘、1年間かけて、ついに一巡したことになります。キリスト教徒でもないのに、せっせと教会暦を調べて、日曜日ごとに朝からカンタータを聴いていると、さぞかし信仰心も…残念ながら芽生えませんでした。

やはり、イエスのいう人物の歴史的な興味は中心であって、教会暦を通じてイエスの生涯を勉強できたことが収穫でした。基本的にはカンタータのいう形式の音楽が面白かったわけで、バッハの偉大さを改めて認識して、音楽史の一部分の知識を充実できたことが、この1年間の最大の収穫だと思います。

もちろん、付け焼刃的な薄っぺらい知識ですから、たくさん間違いを書いてきたかもしれません。このジャンルでは「神」と崇められているカール・リヒターについては、否定的なことを書いてしまいましたし、ベテランの人からはたくさんのお叱りを受けるようなことばかりでしょう。

それでも、ブログに書き溜めたカテゴリーを順番に読み返すと、教会音楽を聴くための基本的知識はだいたい整理整頓できたと思っています。けっこう、たくさんの関連書も読み漁りましたので、当たらずとも遠からずのところで、もしかしたら誰かの役に立つこともあるかもしれません。

これからは、一緒に買いためたガーディナー盤以外の他の演奏を、聴きたいときに聴きたい分だけ聴いていきたいと思います。さしあたって、あえてできるだけ聴かないようにしていたのが、鈴木雅明のBCJによるカンタータ全集です。

BCJのものは、教会暦ではなくバッハの作曲順による収録ですから、これまではガーディナーと比較するために、ちょこっと聴いた程度。作曲順に聴くということは、バッハの教会音楽に対する成熟の度合いを通じて、バッハの生涯を知るということになるんでしょう。

いずれにしても、1年間をかける大きな意味を提供してくれたガーディナーの56枚のCDは、ものすごく大きな楽しみをあたえてくれたわけで、単なる廉価版CDボックスとは違う大きな意味がありました。本当にガーディナー先生には、感謝しても感謝しきれない。

今日は、キリストの復活をお祝いすると同時に、ガーディナー先生の偉業に敬意を払いつつ感謝を捧げる一日にしたいと思います。