2016年7月28日木曜日

百日紅


百日紅は、 ミソハギ科サルスベリ属の落葉中高木。バラとは遠い親戚筋にあたります。

散れば咲き 散れば咲きして 百日紅

これも加賀千代女の作。これは、今だからわかる。というのは、盆栽で百日紅、つまりサルスベリも楽しむようになったからで、去年までは気にも留めていませんでした。

百日紅は、数少ない夏に樹に咲く花です。夏の間、枝の先に開花を続けるのが名前の由来。千代女の俳句は、まさにその様子を詠ったもの。

夏の花物盆栽としては欠かすことができない魅力があるのですが、姫沙羅、夏椿と並んで幹の美しさも格別なのです。

姫沙羅よりも白っぽく、滑らかな木肌の様子は大変魅力的で、落葉した後の冬姿にも独特の味わいがあると思います。

自分の鉢は、いずれもホームセンターで売っていた園芸種で、もともと盆栽用に育てた苗ではありません。すでに伸びたいだけ成長させていて樹形としては面白みがありませんでした。

本来は、花が咲きだすこの時期に剪定するものではないとは思ったのですが、強剪定にも耐えて芽がふくというネットの解説を信じて、思い切りバッサリやってしまいました。

右はサルスベリ・ポコモックという、もともと矮性・小葉性の品種。幹の枝ぶりは面白いのですが、先端だけにもっこりと葉があって、まとまりがなかったので、基本的な枝だけにして、新しい枝ができるのを待ちます。

左は、単にサルスベリとして売られていたもの。こちらも直幹で上がっていて、このままでは植木にしかならないかと。箒仕立てしてみようかと、今年の花はあきらめて刈り込んでみたのですが、すでに芽吹きは悪くない感じです。

日当たり風通しの良い場所で管理し、夏には強い反面、冬は早めに保護する必要があります。潅水は、夏の開花期はかなり多めに必要。

春に伸びた枝先に花芽をつけます。伸びすぎて、花がまとまらなくなるので、徒長枝は5月くらいまでに選定しておくと、短い枝に花芽ができてまとまります。

花が終わったら、全体の形をみて剪定しますが、比較的強剪定にも耐えられるので、どうしても形が整わない場合は、思い切って大元で切ってしまうという荒業もありらしい。

針金整形は美しい幹を傷つけるので、原則としてしません。できるだけ剪定で形を作るようにします。

街を眺めると、あちこちにピンクの花が目立つようになりました。その時に、幹に目を落とすと、美しい木肌が楽しめます。