夕立や 草葉をつかむ むら雀
・・・・ 与謝蕪村
急に夕立が降り始め、驚いた雀たちが、草葉の下に隠れる様子を詠んだものだそうですが、昔の夕立には風情があった・・・というのも20世紀までの話。
夏の暑い日に、夕方から一転にわかに空がかき曇り、大粒の雨がほだ、ほだ、ぼたぼた、ぼたぼたぼた、ざーっと降り、少し経つと夕陽が差し込んできて、熱が取れて夜は涼しくなる・・・
今や、夕立はゲリラ豪雨と名を変えて、降りやんだあとも、むしろ湿度だけ高くて蒸し蒸しするだけで、過ごし良くならないという、風情もへったくれもあったもんじゃない。
雨を写真にとるというのは、けっこう難しいもので、テレビで雨のシーンなんかは、まさにゲリラ豪雨並みのシャワーを降らせているから写るものです。
黒澤明の名作映画「羅生門」の冒頭、見事な雨が撮影されているのも、実はシャワーに墨汁を混ぜていたというのは有名な話で、いろいろと工夫が必要ということ。
昨日の夕方は、ものすごい雨でしたが、ほとんど何も考えずにレンズを向けてみました。こんなにはっきりと雨か映り込むというのは、なかなか無いことです。この程度写れば、実際には風呂場でシャワーを浴びているのと同じくらいということ。
ゲリラ雨 軒があっても 濡れ鼠
お粗末様でした。