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2016年9月24日土曜日

レンズ再考 (1) この1年の使い方のまとめ

一眼レフカメラと言えば、使用する最大のメリットは「きれいな写真」が撮れること。

きれいな・・・というのは、何と比べるかということですが、最近では携帯電話の普及で、誰もがスマホについたカメラを持ち歩いている時代。

そのために、コンデジと呼ばれる一般的なカメラは影を潜めてしまいました。コンデジはむしろ、高機能化して、スマホのカメラとの差別化を図っている。

一眼レフが優位に立つのは、当然これらのカメラに対しての話。もっとも、ただシャッターを押せば「きれいな写真」が撮れるわけではなく、カメラ本体と機能を熟知して、何を撮るかということに合わせて最適なレンズを使用するというのが基本的な約束になる。

ですから、自分のようにカメラの機能が多すぎてよく理解していないままに、特に何というわけでもなく、面倒なので1本のレンズで済ましてしまうおうと考えているような輩には、まっとうな写真など撮れるはずもない。

何となくカメラを向けているうちに、たまたま偶然の奇跡の一枚に喜んでいるようでは、とてもとても写真愛好家とは呼ばれるわけもなく、重たい機材は宝の持ち腐れになってしまいます。

そもそも、できるだけ1本のレンズでというのは、一眼レフのレンズ交換ができるという大きな特徴を無視しているわけで、根本的な部分で一眼レフを否定していることにつながる矛盾だらけの振る舞いです。

でも、それにはそれなりの事情というものがあるわけで、さすがに何本もの重たいレンズを常時持ち歩くわけにはいきません。そして、屋外でのレンズ交換というのは、カメラ内へのゴミ・埃の侵入の危険があることや、またレンズ落下による破損の危険もつきまとう。

ですから、1本ですべてをまかなうというのはもさすがに問題ありですが、できるだけ持ち歩くレンズの数は少なくしたいと思うのは、アマチュアとしては許容範囲の話かとは思います。

屋内での撮影が主体の場合は、望遠域は必要ないわけで、むしろ光量が不足しやすい狭い場所で広く撮影したくなることを考えると、広角単焦点レンズが活躍できます。

一般的な標準レンズと呼ばれるレンズの焦点距離は35~75mmで、真ん中をとって50mmくらいが多いのですが、写り込む範囲や歪みが実際に人の目に入る光景に近いという理由がよく言われます。

しかし、実際に人の視野はもう少し広いわけで、標準域の中でも短い35mmくらいのほうが、人の視野に近い。しかし、広角にいくほど周辺が広がるパースと呼ばれる現象が強くなってきます。

極端な例は魚眼レンズですが、さすがにこれで日常をスナップするというのは無理がある。写真としての面白み、美しさを求めるなら焦点距離は24~35mmくらいの広角くらいが無難な選択になるのかと思います。

屋外の風景を切り取る場合には、むしろパースを生かしたダイナミックな写真は見応えがあるので、さらに焦点距離の短い超広角レンズも使って楽しいものです。

SIGMA 8-16mm F4.5-5.6 DC HSMの超広角ズームレンズ(APS-C専用なので、フルサイズ換算だと12-24mm)を使用していると、想像以上に広い範囲が画角に入るので、大変面白い写真が撮れます。



しかし、広角端の8mmばかりを使用していて、望遠側はほとんど使用していないことに気がつきました。16mmの画角だと、標準ズームの範囲に入るので、実際使用する意味があまり見出せません。

また、屋内での使用は8mmだと、さすがに広角側過ぎて、写り方は不自然と言わざるを得ません。それを良しとするのも一つの考え方ですが、そのあたりをいろいろ考えると、このレンズをふだんから付けっぱなしにするのは無理がある。

つまり、何が言いたいかというと、普段使いとしては24~35mmくらいの広角を中心に使いたいのですが、風景に対しては超広角のみを交換するというのが自分に合っているようだということです。

じゃあ、望遠についてはどうかと言うと、確かにあると便利ですが、比較的使用頻度は少ないということに気がつきました。

自分が通常装着していることが多いのは、SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSMというレンズ(フルサイズ換算27-450mm)ですが、まさにこれ一本でほとんど足りてしまうという「神レンズ」なのです。

ところが、望遠端300mmまで引き寄せる写真というのは、特殊な場合になってしまい、その場合はたいていもう少し寄りたくなるわけで、その不満から超望遠のSIGMA APO 50-500mm F4.5-6.3 DG OS HSM (フルサイズ用)というバズーカ的なレンズを後から購入しました。



手持ちの撮影が基本の自分としては、これ以上さすがに手持ちは不可能な重さですし、そもそも値段がすごすぎて手がでません。

となると標準ズームとしては、そんなに広角側は使わないし、ましてや望遠側はもっと使わないということになって、「神レンズ」と思っていたのは、いざというときに便利な広く浅いレンズだということがわかってきました。

結局、この3本のレンズについていえば、一番の不満はF値が大きいこと。つまり明るくないということで、これは美しいボケが出にくいということにつながる大きな欠点になります。

初心者にお勧めの定番、標準焦点距離の単焦点レンズとしてはSIGMA 30mm F1.4 DC HSM (フルサイズ換算45mm)を最初に揃えましたが、F1.4の明るさからくる写真の美しさは圧倒的です。

経済的に許されるなら、ズームではない単一の焦点距離のレンズをいろいろ揃えている方が明るさでは圧倒的な優位性がありますが、なにしろ本当に何本ものレンズを持ち歩くことになってしまう。

そこで、本数を減らすためにズームレンズは使いたいが、できるだけ明るいものが欲しいという、相反する希望が出てくるわけで、あらためて自分の普段のレンズをセレクトしてみたくなってきました。