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2016年9月30日金曜日

写真の現像


自分の父親は自宅で内科の開業医をしていたので、レントゲン写真を撮影すると、そのまま自分で現像していたました。

レントゲン写真は一眼レフカメラなどで撮るのとは撮影方法こそ違いますが、フィルムはそのままでかくしたもので、現像のりくつは一緒。

普通のカメラフィルムも、同じように作業して現像できるので、父も写真が好きでしたから、通常の写真の焼き付け器も用意していました。大きなトレイの中に現像液と定着液を入れて用意して、それぞれの中に露光した印画紙をくぐらせることで撮影した画が出てくる。

ただし、できるのは白黒だけ。カラーフィルムの現像はできません。それでも、高校生の頃に、カメラ屋さんからもどってきたカラーフィルムを使って、自分で白黒写真をいろいろ焼き付けてみるということを随分とやりました。

このあたりが、自分の写真趣味のルーツだと思いますが、露光具合をちょっとずつ変えたり、現像液に入れている時間を調節したりして、いろいろと面白い写真が出来上がるのが楽しかった。

今や、時代はデジタルで、そういう現像・焼き付け作業をするための暗室は不要になりました。すべて、コンピュータでの作業ですんでしまいます。もちろん、レントゲン写真も同様。

コンピュータによる「現像」は、暗室はもとより、現像液も定着液も、乾燥することもしない。その場でソフトウェアをいじって、その変化をすぐに確認しながら、やり直しもしながら進めていきます。

上の写真は、空という明るい部分と、樹々に囲まれて暗い池という光量的に対照的な風景。なんとなくボケっとして撮影していると、明るい方か、暗い方に露出が合ってしまうので、なんとも味気ない写真になってしまいます。

元々の写真はこれ。


こりゃダメだ。空が飛んでしまい、せっかくの少しだけ見えていた青空が飛んでしまいました。全体的にも彩度が上がらず、なんか物の怪でも棲んでいそうな雰囲気になっています。

HDRという撮影法があって、一回シャッターを押すと、2回カシャカシャとなって、暗い方を中心にしたものと、明るい方を中心にした撮影を同時に行い、即座に合成してくれるというもの。

これは便利なのですが、2回絞りが開くので、手持ち撮影では微妙にブレが出やすくなる。こういう写真ばかりを撮影している万年素人写真家としては、後からコンピュータ上での「現像」作業が必須になってくる。

あー、便利な時代になったものです。ダメダメの撮影でも、後からどうにでもなったりする。もはや、「現像」という言葉の意味するものは、昭和の頃とはまったく違うということですね。