2026年3月16日月曜日

ランボー 怒りのアフガン (1988)

大ヒットした「ランボー・シリーズ」の第3作。再びスタローン自ら脚本を書き、最初の監督が途中降板したため、第2班だったピーター・マクドナルドが引き継ぎました。前2作が、ベトナム戦争の後遺症という大義がありましたが、今作はランボーがアフガニスタンに飛び込むという、もはや不死身のランボーの活躍を楽しむ単なるアクション映画となっています。

アフガニスタン戦争は、1978年に成立した社会主義国家であるアフガニスタン共和国、および支援するソビエト連邦に対して、民兵組織であるムジャーヒディーンが蜂起した内戦です。ソ連に対抗するアメリカや多くのイスラム系の国が、ムジャーヒディーンに対して軍事援助を行い、1989年にソ連軍は撤退しました。

しかし、その後、多数の部族の集合体であるムジャーヒディーン同士の覇権争いが勃発し、その中でパキスタンの支援を受けたタリバンが台頭してきます。そして、タリバンに擁護された国際テロ組織アルカイダが、しだいにアメリカとの対決姿勢を鮮明にし、2001年にアメリカ同時多発テロが発生するのです。本作が作られた時点では、アメリカはムジャーヒディーンを支援しており、ソ連撤退後の展開はアメリカにとって皮肉な結果になったと言えます。

ジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)は、タイの首都バンコクで仏教寺院の建築にたずさわっていました。そこへ、かつての上官トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)が訪ねてきます。

大佐は、アフガニスタンではソビエト軍が民間人も含めてムジャーヒディーンに対して非道を繰り返しているため、自分がミサイルなどを供給する調査に向かうことになったと説明します。非常に危険な任務なので、ランボーに帯同してほしいと頼むのですが、ランボーは「俺の戦いは終わった」と言って断るのでした。

しかし、大佐が現地でソビエト軍に捕まったことを知ると、アメリカの公式な支援が無いことを承知で単身アフガニスタンに向かうのです。ムジャーヒディーンの連絡員のモーサの道案内で、まずムジャーヒディーンの部隊と合流し協力を頼みますが、そこへソビエト軍の大型戦闘用ヘリコプターが飛来し、部隊は大きな損害を被ります。

しかたがなく、ランボーはモーサと二人で大佐が捕らえられている要塞のような砦に忍び込み、あちこちに設置した爆薬による混乱に乗じて大佐を救出することにしました。しかし、黙ってついてきたムジャーヒディーンの少年兵が発見され、一時退去するしかなくなります。

モーサと少年兵を国境の外に逃がしたランボーは、再び一人で砦に向かいます。何とか大佐を救い出し脱出を試みますが、ソビエト軍の大舞台に包囲され、接待絶命のピンチに陥るのでした。

まぁ、らしさはありますが、それ以上でもそれ以下でもない作品。こんなにあからさまにソビエトを悪者に仕立てて問題ないのか心配になりますが、冷戦時代末期を象徴しているのかと考えるしかありません。

いずれにせよ、大佐との友情のため活躍するというのは、かっこいいんですがあまりにも無謀。もはやベトナム戦争は関係ないところで、ランボーの「悲しみ」のような見る者が感情移入できるポイントはほとんどなくなっています。まぁ、それはそれで良いとするしかありません。

2008年に20年ぶりにシリーズ第4作「ランボー 最後の戦場」が作られました。ランボーはまだタイにいて、ミャンマー軍との戦いに巻き込まれていきます。邦題からしてもこれで最後だと思っていたら、2019年にシリーズ第5作「ランボー ラスト・ブラッド」が公開されました。アリゾナに戻ったランボーはメキシコの麻薬密売組織と対決しますが、さすがにこれは年を取り過ぎて痛々しい。ランボーは最初の3作だけでお腹いっぱいです。