2016年2月18日木曜日

第16回田園都市リウマチフォーラム

2010年の秋に始まった田園都市リウマチフォーラムですが、昨夜の会で16回目を数えました。

元はと言えば、近隣の開業医3人の勉強会から始まったもの。まぁ、よく続いているものです。お陰で、日進月歩の激しいリウマチ診療に、何とかついていくモチベーションになっているところがあります。

さて、この会では、山田秀裕先生に顧問をお願いしています。山田先生は聖マリアンナ医科大学のリウマチ・膠原病内科の教授で、横浜北部~川崎地域では最も精力的に活動していました。

・・・いました、と過去形なのは、昨年末に大学を退職されたから。

今年からは、横浜市保土ヶ谷区にある聖隷横浜病院に勤務されていて、今はリウマチ科部長として診療部門を整備・確立することに多忙な日々を送っているようです。

山田先生には、何度も会で講演をしていただているので、気楽に今回もお願いしていたのですが、昨夜は久しぶりにお会いしてみると、だいぶお疲れの様子でした。

大変お忙しい状況の中で、よけいな仕事を増やしてしまい、大変申し訳なかったと反省しています。それでも、さすがに話の内容はいつもの「山田節」が随所に出てくる興味深い物でした。

基本的なテーマは、リウマチの最新事情を踏まえて、今後の動向を考えるというもの。ほとんどの公演では、こういうテーマだと最新の薬の情報が主となって、誰が喋っても似たり寄ったりになるものです。

昨夜の山田先生の話では、新しい物も含めていずれの薬を使っても、リウマチを抑えているだけで根本的な治療をしているわけではないので、基本的に今後登場するだろうものも含めて、どれでも一緒という具合にばっさりと話を切り捨てていました。

新薬の情報も大切なんですが、新薬についてのノウハウが落ち着いてきた今、考えないといけないより重要なことは「予防」という問題だというのです。

今までにも、いくつかの関節リウマチ発症のリスク・ファクターがわかっています。一番根っこは遺伝子ですが、まだそこまで解明しきれているわけではありません。

日々の診療の中では、今ある症状を無くすことに追われがちですが、わかっている中でリウマチの発症機序をよく考えて、発症や憎悪のきっかけになりうるものを排除していくことがこれからは大切だという話でした。

やはり、まったく新しい切り口の内容の話で、こういう話は他の演者の先生からはまず聞くことはないと思います。今後も、山田先生は顧問を続けていただけるということなので、業務に支障か出ない範囲で講演をお願いしたいと思いました。