昔昔、あるところに・・・と始めたくなるほど、昔の話。
国際学会というものにでかけました。場所はヘルシンキ。
ヘルシンキといえば、フィンランドの首都。日本人的には、サンタクロースの故郷でオーロラとムーミンが有名ということくらいしか知りませんでした。
今はどうだか知りませんが、大学に勤務していて国際学会に参加するとなると、せっかくなので学会の期間プラス1週間くらいのボーナス休暇がついてきた。
そこで、学会参加者で多少観光してくることができたりしたんです。いい時代だったというか、それが楽しみで学会参加に名乗りを上げるようなものですが。
もっとも、ちゃんと発表もしないといけないので、それなりの準備もしないといけません。ただ遊びに行くだけは、さすがに許されませんからね。
ヘルシンキでは、レンタカーを借りて隣国の方向へ行ってみました。これは日本にはない国境というものを見てみようということなんですが、東へ東へと車を数時間走らせたのですか、景色的にはまったく変化が無く面白みはありません。
やっとのこと、町らしきものが見えて来たらそこが目的地。隣国というと、当時はソビエト連邦、まだ冷戦時代で、それなりに緊張が漂います。
そのあとは西の隣国、スウェーデン。王宮を見たりしました。そして、さらに西に向かって、最大の目的地ノルウェーに向かいました。
ここでの一番のポイントは氷河を見ること。首都のオスロでは美術館で、有名なムンクの「叫び」を見ました。コーナーを曲がると、いきなりすぐそこにあった、という感じ。思ったよりも小さい。
随分と無造作に展示しているものだなぁと思いましたが、このあと盗難事件がありました。
当然再びレンタカー を借りて、西の大きな港町のベルゲンまで行きました。距離は東京-名古屋くらいの400km弱。どんどん標高が高くなっていって、ついに氷河地帯に到着。
地面に氷が張り付いて、一部とけて水たまり状になったところは、透き通るような青い色をしていました。これが太古から続く氷なのかと思うと、何となく感無量。
そこから有名なフィヨルド地帯を一気に降りるんですが、氷河が削り出した、荒々しい狭くくねくねした崖の連続は、やはり景色としてもすごいのですが、独特の迫りくる閉塞感があり、「叫び」たくなるのがわかる気がしました。
学会のことは・・・ ・・・ ・・・うーん、ほとんど覚えてはいませんが、北欧三国横断旅行はいい思い出になっています。