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2016年2月2日火曜日

Gregor Weichert / Schubert Piano Works


Googleのサービスは大半は無料ですから、あまり文句を言えた筋ではないのですが、やはりこのブログにシューベルトについて書いたことがGoogle+へ共有して表示されにくい。

何かがNGワードになっているようですが、それが何かがわからない。試しに古いエントリーを新たに共有する操作をしてみましたが、できるものとできないものがありました。

Google+と連結し始めて1年ですけど、今までそういうことは無かったので、ちょっと困惑しています。とは言っても、Google+をメインに投稿しているわけではないので、深く追及する元気は無い。

というわけで、懲りずにシューベルトの話を続けてみたいと思います。今回は、Amazonからのアルバム画像は貼り付けません。

さて、今回はGregor Weichertです。グレゴール・ヴァイヒェルトは1980年代なかばにピアノ・ソナタ全集を完成していますが、これは60年代半ばのケンプから始まる全集録音としては、シュヒター、クリーン、バドゥラスコダ、ツェヒリンに続く6人目の偉業だろうと思います。

ただしこの6人の中では、現在は最もCDを入手できないと言っても過言ではありません。フランスのAccord Recordsというところから8枚のCDで発売されましたが、世界中のAmazonで探しても在庫なしの巻がある。

そこで、タイトルが不明瞭で、ジャケット写真も出ていない、ちょっと怪しいものを地道に探してみました・・・ありました!! フランスの店からUKのマーケット・プレイスに出品されていました。

値段もリーズナブル。そこで、こちらもあやしい英語で問い合わせ。これは実は××では無いのかとの質問に、"You are right"という単刀直入な答えが戻ってきました。

まぁ、半分くらい清水の舞台から飛び降りるような気持ちでポチっとしてみましたら、届いたものを見て大正解。見事に全8巻が一気に揃いました。

さて、問題は中身の演奏。音質については、デジタル初期の録音ですが悪くはありません。やや響きが少なめのピアノの音ですが、逆に普通の家ですぐ横で弾いてもらっているような親密感があります。

演奏は、全体的にやや早めな印象。でも、演奏時間で見ると他の奏者に比べて極端な差は無いようです。楽譜を読めればはっきりするんでしょうけど、自分にはよくわかりません。

ようするに、演奏のテンポがいいというか、めりはりがあるというか、元気な演奏とでもいいましょうか。内田盤の重苦しい空気感が無く、だからと言って軽々しくはありません。

シューベルトは、長調なのに悲しい雰囲気が漂う曲想ですが、その点を強調したのが内田盤とすれば、ヴァイヒェルト 盤は、昔シューベルトが仲間に弾いて聴かせた時の雰囲気を感じさせるものなのかもしれません。

そして、もう一つ一番の特徴は、断片だけが残され通常演奏されることが無い、D655を世界で初めて収録したものだという点です。

おそらく、D655の録音が聴けるのは、後年のTimori、Barr、Wallischと合わせて4人だけ。

面白いのは、4人がそれぞれ行った途中切れの最後の処理の仕方。譜面通りに、途中でぱったり停止するのがWallish。 残りの三人は、それぞれ補筆して何となく終わりを作っています。

Timoriは、無理やり終わらせた感が強く、Barrはいろいろと取り混ぜて一見すると完成形で一番長い。

ヴァイヒェルト 盤は、ほんの少しだけ足して唐突感だけは無くしたもの。自然な流れなので、違和感はありません。もともと完結していないわけですから、そもそも作品として評価するものなのか議論は分かれるのでしょうが、少なくともそのまま捨ててしまうには惜しい主題です。