2021年6月30日水曜日

ターミネーター2 (1991)

ジェームズ・キャメロン監督・脚本、アーノルド・シュワルツェネッガー主演で送るシリーズ第2作。核戦争が勃発した1997年8月29日を、生存した人類は「審判の日(Judgement Day)」と呼んだことから副題がついています。

前作のヒットを受けて、製作費は640万ドルから1億ドルへ大幅アップ。特撮もILMが関わり、前作とは比べ物にならないくらいスケール・アップしています。

前作から10年、今度は10歳になったジョン・コナーを直接狙う最新型ターミネーターT-1000と、ジョンを守るために2049年のジョンが送ったT-800(101型)の死闘を描く内容になっています。

1994年。再びスパークと共に、T-800(アーノルド・シュワルツェネッガー)が姿を現します。一方、別の場所では液体金属により触れたものに自在に変形が可能な最新型T-1000(ロバート・パトリック)も現代にやってきます。

ジョン・コナーは、物心つく前から母親のサラから、来るべき人類の未来の話を聞かされ、そのために指導者たる知識や訓練を受けて育ちました。しかし、サラはサイバーダイン社爆破未遂により逮捕され、その信じがたい供述から警察の精神病院に強制入院させられます。ジョンも、母親を信頼できなくなり非行に走り、養父母にも口を利かないような扱いにくいこどもになっていました。

T-800とT-1000はいずれも、ジョン・コナーを探していて、ショッピング・センターで同時にジョンを発見します。T-1000がジョンに襲い掛かる直前に、T-800がジョンを助け出し、未来のジョンがこどものジョンを守るために来たことを伝えます。

ジョンは母親の言っていたことが真実であることを悟り、T-800とサラ救出のため病院に向かいます。彼らを追ってT-1000も病院を襲撃しますが、何とかサラと共に脱出に成功しました。以前のターミネーターと外見が同じT-800に、サラは最初恐怖を覚えますが、ジョンの説得により味方として理解します。

T-800の説明によると、数か月後にサイバーダイン社のダイソンが、以前のターミネーターが残したマイクロチップから新たなコンピュータを作り上げ、3年後にはすべてが無人化した軍事用ネットワークであるスカイネットを構築するというのです。スカイネットは人を必要とせず、不必要な人類を抹殺するため「審判の日」に核攻撃を開始したのでした。

サラらはダイソンの自宅を襲撃し、ターミネーターの存在を証明し、彼が作るコンピュータによる未来を説明します。ダイソンの手引きでサイバーダイン社に入った彼らは、あらゆるデータや資料を破壊し、ビルを爆破、警察との銃撃戦を乗り切りましたが、そのあとをT-1000によって鉄工所に追い込まれます。。

液体窒素を浴びたT-1000は凍結し銃撃により粉々になりますが、溶けると次第に集まり元通りになってしまう。しかし、死闘の末、T-1000はついに溶鉱炉の中に転落し溶解しました。そして、すべての未来の痕跡を消すために、T-800も自ら溶鉱炉に落ちていくのでした。

そして30年後、ジョンは政治家として活躍し、年老いたサラは、「審判の日」が訪れなかった公園で、孫が遊ぶ様子を優しく見守るのでした。

この続編の大きなテーマは、運命は自分で切り開くものだというメッセージとともに、機械も人間のような感情を理解できるのかというものでした。ジョンはT-800に簡単に人を殺してはいけないといい、T-800も命令に従う。ジョンが笑えと言えば、T-800は笑っている人をスキャンして表情を作ります(ここはシュワルツェネッガーのぎこちない笑顔で唯一笑えるところ)。

泣いているジョンが心が痛むからだと説明すると、心は痛くないと返すT-800。しかし、ラストシーンでは、「涙は出ないが、少し理解できた」と話します。なおラストでサラに変身したT-1000に本物のサラが後ろから銃撃するところは、実は特撮ではなく偽サラをリンダが、後ろの本物を双子のレスリーが演じています。

劇場公開版は137分ですが、現在は追加シーンを盛り込んだ154分の特別編がメディアに収録されています。ここではカイル・リース(マイケル・ビーン)も夢に登場したり、T-800が学習能力を回復させるため頭部を開くシーンなどが追加されており、登場人物の思考・行動を理解するうえでわりと重要な部分なので、できれば特別編で視聴することをおすすめします。