2021年6月29日火曜日

ターミネーター (1984)

ジェームズ・キャメロンとアーノルド・シュワルツェネッガーの名前を一躍有名にした、今ではもう古典、そしていまだに続くSF映画のシリーズの第1作です。冒頭に説明されるように、2029年ロサンゼルスでは機械と人間の戦争が行われ、そこからタイム・スリップした現代(1984年)の話という設定。

ある日、稲妻のスパークと轟音の中一人の裸の男が突如姿を現し、ゴロツキをいとも簡単に撲殺して服を奪います。続いて町の別の場所に、同じように現れた別の男は警察に追われ、スーパーで服をそろえパトカーからショットガンを奪いました。二人とも、電話帳から「サラ・コナー」の名前があるページを破り取るのでした。

最初に登場した男は、銃砲店で大量の銃器を手にして店主を殺害、電話帳の順に「サラ・コナー」を次々に殺害します。このことがニュースになり、本命のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)はつけてくる二人目の男に恐怖を感じクラブに逃げ込み警察に電話をします。

そこへ最初の男が現れサラに銃を向けますが、間一髪二人目の男がサラを救います。逃げだす二人を、センサーの目が追いかけることで、初めてこれがロボットか何かであることがわかります。二人目の男はカイル・リース(マイケル・ビーン)と名乗り、襲ってきたのはサイバーダイン社が製造した101型サイボーグのターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)だと説明します。

さらにリースは、数年後に防衛ネットワークのコンピュータが自ら意思を持ち核戦争が勃発し、多くの人命が失われると話します。45年後に、生き残った人類を統率して機械に立ち向かうのがジョン・コナー、まだまだ生まれていないサラの息子だと言うのです。追ってくるターミネーターの追撃をかわした二人は警察に捕まります。

リースは警察で、リーダーのジョン・コナーが生まれる前に母親を殺害する指令を受けたターミネーターを追ってこの時代に来たことを話しますが、当然警察は妄想として相手にしません。そこへターミネーターがやってきますが、彼は警察の受付を眺めまわした後、あの有名な台詞を吐きます、「I'll be back (また来る)」。

いったん外に出たターミネーターは、すぐに車で署に突入し、警察を壊滅させます。サラとリースは逃げ出し、モーテルに身を隠しついに結ばれる!! しかし、ターミネーターはそこへも迫ってきます。そんな立派な人物を産む伝説の人物ではないと言っていたサラでしたが、逃走中にリースが負傷すると、その闘争本能に火が付く。

炎に包まれターミネーターに勝利したと思ったのも束の間、骨格だけになったターミネーターがさらに迫ってくる。リースは接近するターミネーターに爆薬を突っ込み破壊しますが、自らも命を落とします。上半身だけになっても追いかけてくるターミネーターを、サラはプレス機で潰してついに勝利するのです。サラは、リースとの間にできた未来のジョン・コナーを宿し、核戦争が起こる「審判の日」を前にメキシコに向かうのでした。

もう、かなり有名なストーリーですから、今更説明するまでもないとは思いますが、はっきり言って、この1作目は公開時は低予算のB級SFという位置づけだったと思います。未来中心に描くと金がかかるので、現代に話を持ってきたというのは有名な話。音楽も、ほぼシンセサイザーのみで未来的と言えば聞こえがいいのですが、やはり経費削減ということ。

まだCGなんてほぼ使われなかった時代ですから、シュワルツェネッガーのターミネーター姿も特殊メイクによるもの。当時の他のSF映画と比べても、これもお世辞にも優れているとは言い難い。最後の骨格だけのターミネーターの動きのアニメ感もわかりやすい。

ですが、そういう欠点を補う以上に、際立った世界観が映画全体の面白さを十二分に底上げしていることは間違いない。また、これに続く続編の成功が、1作目の評価をさらに高めました。

使われず削除されたラストシーンには、破壊されたターミネーターのマイクロチップを拾い上げる者がいて、その戦いの場になったのがサイバーダイン社であることが示されています。明らかに続編を意図したものですが、キャメロンは説明しすぎとして劇場公開時には使用しませんでした。

しかし、人気シリーズとなったものの、この後権利関係の移動が相次ぎ、3作目以降は複雑な経緯によって一貫性が保てなくなったのが残念なところかもしれません。