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2021年6月4日金曜日

ジョン・ウィック (2014)

キアヌ・リーブス主演映画としては、最大のヒット作といわれるのは、言わずと知れた「マトリックス三部作」でしょう。これについては、もうネットでも語られまくって、書籍にも研究書があったりします。もう、今更、ここで紹介するまでもない。

そこで、目下のところキアヌの一番の魅力を引き出している人気シリーズが「ジョン・ウィック」ということになります。これまでにシリーズ化されて3作品がリリースされ、4作品目も現在制作中です。

裏社会で伝説となった殺し屋、ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。彼は愛する女性のため、殺し屋を引退し平穏な生活をしていました。しかし、妻のヘレンが病死して、彼は絶望の淵に引き戻される。しかし、死ぬ前に妻は彼のために子犬を用意していました。自分が死んだ後の希望になるようにと。

ある日、元々ジョンの仕事の依頼主だったヴィゴー(ミカエル・ニクヴィスト)・・・今やジョンの仕事のおかげでかなりの顔役ですが、その息子ヨセフが、ジョンの正体を知らずに彼の希少な車欲しさに強盗に押し入り車を奪います。そして、邪魔だった子犬もいとも簡単に殺してしまいました。

犯人がヴィゴーの息子だと知ったジョンは、封印していた武器を取り出し、殺し屋仲間が集うコンチネンタル・ホテルに向かいます。このホテルのオーナーにヨセフの居所のヒントをもらったジョンは、隠れ場所のクラブを襲撃しますが間一髪ヨセフに逃げられてしまう。

続いて、ジョンはヴィゴーが隠し財産を保管している教会にむかい、それらを灰にしてしまいました。しかし、ヴィゴーらと激闘の後、ヴィゴーからヨセフの居場所を聞き出します。隠れ家を急襲したジョンはつてにヨセフを撃ち殺しますが、コンチネンタル・ホテルのオーナーから、ヴィゴーの逃亡を知らされ、ヴィゴーを追跡するのでした。

かつては誰もが恐れた凄腕の殺し屋が、妻が死んで女々しくなっているとか、犬を殺されて復讐に立ち上がるとか、ちょっと動機としては「どうなの?」と感じないわけではありませんが、次から次へとスリルとサスペンスとアクションの連続で、見ていて息も付けぬ面白さはさすがというところ。

敵役のヴィゴーは、スウェーデン版「ドラゴン・タトゥーの女」で活躍したニクヴィストで、ここでは息子を愛しながらも、最後にはジョンに売ってしまう冷徹な父親を演じ、ラストではジョンとの一対一での対決もします。

また、ジョンとは旧知の中で、ヴィゴーからジョン抹殺を依頼される殺し屋マーカスにはウィレム・デフォーがキャスティング。陰ながら、ジョンの危機を何度か救う美味しい役どころですが、最後はヴィゴーに殺されてしまいます。彼らの巣くう裏社会の世界観が興味深く、いくつかのルールが設定されているところも映画を面白くしている要素のようです。

「マトリックス」シリーズでキアヌのスタントを務めていたチャド・スタエルスキーが初監督を務め、そのせいもあって近接肉体アクションには相当力が入っています。またヘヴィーでノイジーな音楽が鳴り続け、緊迫感を否が応にも盛り上げています。