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2021年6月28日月曜日

ホテル・アルテミス ~犯罪者専門闇病院~ (2018)

目下のところ、ジョディ・フォスター登場の最新作がこれ。2013年の「エリジウム」以来、5年ぶりとあってはジョディ・フォスターのファンとしては興味津々・・・なのですが、実はこれ、アメリカでの興行収入はパっとせず日本では劇場公開は見送られてます。DVDは発売されましたが、ブルーレイは無しという作品。

もともと脚本家として知られるドリュー・ピアースによる監督・脚本。10年後の2028年のロサンゼルスが舞台。暴動が発生し無秩序化した中で、会員制の犯罪者のみを引き受けるホテル兼病院でのストーリー。見所は・・・あえて言うなら、スペシャル・メイクで70代の老婆を演じるフォスターでしょうか。

銀行強盗に失敗して逃亡したワイキキは、警察に撃たれ重傷の弟ホノルルをかついでなんとかホテル・アルテミスに逃げ込みました。ホテルの経営者は、ロスを牛耳るウルフ・キンググ(ジェフ・ゴールドブラム)で、管理を任されているは看護師の老女ジーン・トーマス(ジョディ・フォスター)と巨漢のエベレスト。ジーンは早速3Dプリンターで損傷臓器のコピーを作り治療に当たります。

先に滞在客になっていたのは、武器商人のアカプルコと美人殺し屋のニース(ソフィア・ブテラ)。ニースは、ワイキキの元恋人で、ウルフ・キングを殺すために、わざとケガをしてホテルに入ったのです。ワイキキが銀行強盗で手に入れたペンを見て、ニースはそれがウルフ・キングの物で危険だから逃げた方が良いと忠告します。

その頃、アルテミスの裏口に、女性警察官のモーガンが重傷を負って助けを求めに来ます。モーガンは誰も知らないはずのジーンの名前を知っていて、驚いたジーンは知り合いであることに気が付き、規則を破ってホテル内に入れて助けるのでした。クスリで死んだジーンの息子ボーとモーガンは一番の仲良しだったのです。

さらに、ウルフ・キングが負傷したためホテルにやってきます。麻酔によって饒舌になったウルフ・キングは、ボーを殺したのが自分で、息子が死んで自暴自棄になったジーンを利用してホテルを作ったことを話す。その時、ニースが仕掛けた爆弾が爆発。混乱の中で、ニースはウルフ・キングを殺しますが、部下たちがなだれ込んでくる中、ジーンとワイキキは何とかホテルを脱出するのです。

・・・と、まあ、そんな感じの話なんですが、そもそも近未来である必然性がよくわからない。医療だけはちょっと未来的ですが、その他はイマイチです。街が暴動で混乱しているのもよくわからない。モーガンが突如出てきてというのもなんだかなという感じ。息子の過去を絡めるだけのストーリーの重みが感じられません。ペンの意味も???・・・

そもそも、このホテルは会員制で、武器の持ち込み禁止とか、中で殺し合いをしちゃいけないとか、互いに詮索をしないことなど、某映画の某ホテルとコンセプトが似ている。一応、病院ということで差別化を図っているのかもしれませんが、ジーンが率先して規則を破っちゃ設定が無いのと同じ。

見るべきところは、ニースを演じるソフィア・ブテラのスタイリッシュなアクションと、見るからによぼよぼしたジョディ・フォスターの老婆の演技でしょうか。ジョディはあまりにうまく演じるので、本当にこんなにお婆さんになっちゃったかと心配するくらいです。

そんなわけで、B級アクション映画並みの作品といわざるをえない。ただし、主役がお婆さんですから、なんともパッとしないところ。そんな映画です。