2021年12月6日月曜日

スペース・バンパイア (1985)

タイトルからしてSFホラーの王道のような感じですが、原題は「Lifeforce」、まぁ、生命力とでも言うんでしょうか。監督はホラー映画では有名なトビー・フーパー。脚本にダン・オバノン、特撮はジョン・ダイクストラ、そして音楽はヘンリー・マンシーニという具合に、スタッフには有名人がそろっていますが・・・結局はB級ホラーの域を出ない。実際のところ、主演したマチルデ・メイの魅力だけで語り継がれているみたいなところがある作品です。

時代はスペースシャトル。地球に接近したハレー彗星の調査に向かったイギリスのチャーチル号は、彗星の雲の中に全長240kmにもおよぶ巨大な宇宙船を発見。乗員が中に入ってみると、おびただしいコウモリのようなエイリアンの死体がありました。さらに奥に行くと、カプセルに入って意識のない全裸の人間らしき女性1体、男性2体を発見し持ち帰ります。

一か月後、地上からの呼びかけに反応せず進路が狂っているチャーチル号に対して、救援のシャトルが飛び立ちました。チャーチルの船内は焼け落ちており乗務員は全員死亡したと思われましたが、謎の人体の入ったカプセルだけは無傷で回収されました。

さて、未知の物質でできたカプセルをどうやって開けようか・・・と研究所関係者が会議している次のシーンでは、女(マチルダ・メイ)だけが医務室のようなところのベッドに寝かされている。簡単に開いたわけですね。一人残った警備のお兄さん、ちょっとムラムラとしたのか、女に触れた瞬間、女を目を開き起き上がるとキスをして生気を吸い取り夜のロンドンに消えていきました。

男性2体も目を覚まし監視の兵を襲ったため、銃撃と手榴弾で応戦。警備員の干からびた遺体は、2時間後に起き上がると医師から生気を吸い取って復活。エイリアンたちは人間の生気を吸い取って元気になり、吸い取られて死んだ遺体は復活してまた誰かの生気を吸い取るのでした。

調査を始めたイギリス特殊部隊のケイン大佐(ピーター・ファース)は、チャーチルの脱出艇が発見され、乗っていたトム・カールセン大佐(スティーヴ・レイルズバック)から、乗務員が次から次へと干からびるように死んで、地球に戻ってはいけないと感じ自ら火災を起こしたという信じられない話を聞きます。

夜になって、女はカールセンの心に接触してきました。ケインらはカールセンに逆に女の心を探すように言います。女は元の体はどこかに隠し、他人に次から次へと乗り移っていました。乗り移られた一人は病院の院長(パトリック・スチュワート)でした。ここからは話が途端に大きくなり、ロンドン中に生気を吸い取る人々が急増し戒厳令が敷かれます。

吸い取った生気は彗星の雲から離脱した宇宙船に送られていました。カールセンとケインは危険を承知で市内に向かうのでした。

・・・って、最後はロンドン中がゾンビだらけで、もう、ぐっちょんぐっちょんの感じになってます。ストーリー的には、わかったようなわからないような組み立てで、後に「スター・トレック」で艦長になるおじさんまで大暴れ(この頃から頭頂部は髪の毛が無い)。

セットも格安作りで、宇宙センターと言ってもほとんど普通のオフィース・ビル程度。やはり、ほぼ服を着ているシーンがないマチルダ・メイの美しい裸体を拝んでいるうちに何となく終わる映画です。それ以上は・・・特にないです、はい。