2021年12月30日木曜日

もしも久利生公平と深山大翔が対決したら

知らない人には「何のこっちゃ?」という話。

久利生公平は、主としてく東京地検城西支部で働く検事で立場としては公務員。過去に自ら傷害事件の冤罪を被りそうになったところを、実直な担当検事の努力により無実が証明され、高校中退にもかかわらず司法試験に合格しました。捜査権はあるものの、実際には99.9%がデスクワークと呼ばれる検事の仕事の中で、少しでも疑問を感じた場合は、久利生は直接現場に赴き、関係者と面会し、真実を見極めます。

一方、深山大翔は斑目法律事務所の刑事専門弁護士。父親が殺人事件の犯人とされ、無実を主張する中で死亡しました。深山は、起訴されれば99.9%有罪と言われている日本の刑事裁判の中で、0.1%に隠された真実を明らかにするため弁護士を目指しました。一見、事件とは関係のない依頼人の生い立ちから話を聞き始め、起訴状に書かれた犯行の様子を実証実験で再現し、矛盾点を炙りだす独特の調査法を取ります。

・・・と、まぁ、大雑把な二人のキャラクターの説明ですけど、久利生はフジテレビのドラマ「HERO」の主人公で、2001年にSEASON I、2006年にスペシャル・ドラマ、2014年にSEASON IIが放送され、2007年と2015年には劇場版も制作されました。演じたのは木村拓哉で、キムタクにとっても代表的なキャラクターとなりました。

深山は、TBSテレビのドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」の主人公。2016年にSEASON I、2018年にSEASON II、そして2021年の昨夜にスペシャル・ドラマが放送され、今日から劇場版が公開されます。演じるのは松本潤で、もちろんジャニーズ事務所のキムタクの後輩ということ。

そもそも、テレビ局が違いますし、年代も被らないのですが、基本的に犯人を有罪にする側の検事と無罪にする側の弁護士という反対の立場にいる二人ですから、もしも二人が法廷で対決することになったらどうなるんでしょうか。

先輩に花を持たせるなら松ジュンの負けですが、キャラクター上は、二人とも自分の足と目と耳を使い、隠された真実を暴くという異色の仕事ぶりの天才同士ですから、たどりつく真実は一緒になりそうです。

検事の桐生は、公的な強制力もある捜査権がありますが、弁護士の深山の捜査はあくまでも任意。桐生の方が真実にたどり着き易そうに思いますが、証言者に強権によるバイアスがかかる可能性は否定できない。

サポートするメンバーは、桐生の場合はあくまでも「秘書」みたいな事務官(松たか子、綾瀬はるか、北川景子)であり、同じ資格を持った弁護士(榮倉奈々、木村文乃、杉咲花)が相棒の深山の方が仲間は強力かもしれません。

犯人が無実を主張しているのは同じですが、桐生の相手は罪を逃れようとするずる賢い輩であり、深山の相手は冤罪に苦しむ一般市民ですから、ちょっと土俵が違う感じがします。同じ事件をあえて担当したら、おそらく二人の「真実」は一致しそうで、そもそも勝敗がつくようなものにはなりそうもない。

無理やり考えると、例えば強力な力を持った、例えば総理大臣とかが犯罪を犯し、その部下が罪を被るような事件で、被疑者が自らの意思で真犯人を必死に隠そうとしているようなケースがあれば、桐生は真犯人を追い詰め深山は犯人の嘘を見破るみたいなストーリーができるかもしれませんね。