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2009年8月9日日曜日

Toshiko Akiyoshi & Lew Tabackin Big Band Mosaic Select

HMVのポイントアップの手にのって、ついついCDを買いすぎてしまい、まだ聴いていないものがたまってきました。これはまずい。お気に入りを繰り返し聴いてばかりいないで、他の物をせっせと聴かねば。

というわけでジャズです。クラシックばかり聴いているわけではないわけで、ジャズは自分の音楽の好みの中ではかなりの部分をしめているのです。

それで、アメリカのMosaicというレーベルがあるわけですが、古くなった音源を借りてまとめてお買い得価格で再発するという、なかなかマニアには嬉しい会社。

ただし、数量に限りがあるわけで、けっこうすぐに完売となってしまい、ちょっと古い物はまず手には入らない。

最近出たカタログがこれ。秋吉敏子&ルー・タバキン・ビッグバンドのCD3枚セット

秋吉敏子は、もちろん日本人のピアニスト。50年代に渡辺貞夫ら日本を代表するジャズ音楽家と横浜でセッションを重ねて頭角を現した。そして単身渡米して、巨人チャーリー・ミンガスにかわいがられて本場アメリカでも表舞台に立つようになりました。

そして70年代初頭に、夫のルー・タバキンと共にビッグ・バンドを結成。デヴュー作「孤軍」は日米でもらセンセーショナルな話題となり、その後もジャパニーズ・テイストをところどころに入れながらも、目一杯ジャジーなビッグバンドとして、30年間トップの地位を譲りません。

このCDセットには「孤軍」「ロング・イエロー・ロード」「マーチ・オブ・タッドポール」「花魁譚」「インサイツ」という初期の5枚のレコードがつまっているとくれば、超お買い得なわけです。

特に好きなのはInsightsで、日本的な曲調のsumi-e(墨絵)からminamataへの爆発的なスイング感は、もう絶品です。minamataの冒頭に少女の伝承唄風のものがはいっていますが、これを歌っているのはマンデイ満ちる。実は秋吉敏子の愛娘なんですね。

日本的なテーマをしばしば用いていても、アメリカ人にも、いや世界の人々に十分伝わるジャズの楽しさの完成度の高さは、もう秋吉敏子ならでは。ジャズの歴史に唯一残る日本人と言っても過言ではありません。